マネジメントがいちばん大事
・リーダーはマネジメントを他人任せにしてはならない。
マネジャーはリーダーでもり、リーダーはマネジャーでもあるべきである。
・マネジメントは実践の行為であり、主として経験を通じて習得される。
組織内の業務の大半は、担当者に任せれば済む。マネジャーのもとに残るのは、解決の糸口の見えない問題など、やっかいな仕事ばかりである。解決には、経験、直感、判断、知恵などが必要となる。
・マネジャーが対処する課題は時代とともに変わってきたが、マネジメントの仕方は今も昔も変わっていない。人間の行動の基本的な性格は、簡単には変わらない。
マネジャーが組織運営に失敗する4つの原因
①マネジャー本人の資質が不足している。
②仕事自体が遂行不可能であったり、複数の役割を担うなど職務内容に問題がある。
③マネジャーがその仕事に適していない。
④大きな成功でマネジャーが自信過剰になる。
マネジャーをどのように選考すべきか
①マネジャーの選考は「資質」ではなく、「欠点」を基準に行う。
選考は、仕事の内容と組織の環境に応じて、候補者の欠点を慎重に検討すべきである。そのためには、内部昇格の場合、候補者をよく知る部下に発言権を与えたり、外部の人物を迎える場合には、部下となる予定の人と面接をさせた方が良い。
②マネジャーの評価は、数字ではなく自分の頭で行う。
好ましい結果を残すマネジャーとは、その組織に必要なスタイルを実践できる人物である。マネジャーの評価はその組織がどの程度成功しているかを評価する必要があるが、マネジャーが組織の足を引っ張っても成果を上げる組織もある。結局、マネジャーの仕事の質は数字では評価できず、人間の頭脳で判断する以外にない。
マネジャー育成の注意点
①リーダーもマネジャーも教室で作れない。
マネジメントは実践の行為であり、サイエンスや専門技術のように 教えられない。
②マネジメントは仕事を通じた経験や試練によって学ぶものである。
良質な経験をマネジャーに積ませることが大切である。
③マネジャー育成は、マネジャー自身の経験を振り返らせるために行う。
少人数のマネジャーが自身の経験を語り合うようにすると、効果が上がりやすい。
④マネジャー育成は、組織開発と一体で行うべきである。
学習の成果が組織に良い影響を与えなければ意味がない。
⑤マネジメント育成では業務機能を中心にしてもあまり意味がない。
マーケティング、財務、会計等の業務機能を学んでも、マネジメントを学んだことにはならない。必要なのは、アート(創造的発想)とクラフト(技)である。これらは、マネジャー自身が努力を通じて学ぶべきものである。