世界経済の不均衡が危機をもたらすとし、リーマンショックによる金融危機を予見した経済学者がさらなる警告をしている。
世界経済には無数の深い断層線があり、この断層線が金融セクターに影響を与え、危機をもたらす。断層線が生じる原因は、国内政治による歪みや多国間の貿易不均衡である。
今回の経済危機の発端となったのは、アメリカの雇用なき回復と脆弱なセーフティネットである。政府は雇用が回復するまで積極的な財政政策と金融緩和策をとり、その政策が金融セクターのやり過ぎを招いた。
また、輸出に依存し内需を作り出せないドイツや日本などは、世界中に商品需要を求め、商品の買い手となった発展途上国の財政危機を招いた。アメリカは国内政治の要因もあり、世界の消費者の役割を受け入れたが、そのアメリカのバブル崩壊が、輸出国にも多大な影響を与えることになった。
著者 ラグラム・ラジャン
1963年生まれ。シカゴ大学経営大学院教授 金融や銀行論を専門とし、経済成長に金融が果たす役割について研究している。2003年に最年少で国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストに就任したほか、 インド財務省、世界銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)などの顧問を歴任。2006年末より現職に復帰。 「世界金融危機を、発生の3年も前に的確に予言した経済学者」として、 世界中から大きな注目を浴び続けている。 金融危機の関連書籍があふれかえる米国で、 権威ある「Business Book of the Year 2010」を受賞した本書は、日本初の単著。
![]() 上武大学教授 池田 信夫 |
![]() |
![]() 大和総研 専務理事チーフエコノミスト 原田 泰 |
![]() 慶応大学教授 池尾 和人 |
![]() BNPパリバ証券 チーフエコノミスト 河野 龍太郎 |
![]() 東洋英和女学院大学教授 中岡 望 |
![]() 明治大学教授 畑農 鋭矢 |
![]() |
![]() |
![]() 大阪大学大学院経済学研究科准教授 安田 洋祐 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序章 | p.9 | 10分 | ![]() ![]() ![]() |
第1章 金がなければ借りればいい | p.21 | 31分 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
第2章 輸出による経済成長 | p.55 | 25分 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
第3章 逃げ足の速い外国資本 | p.83 | 18分 | ![]() ![]() |
第4章 脆弱なセーフティネット | p.103 | 22分 | ![]() ![]() |
第5章 バブルからバブルへ | p.127 | 23分 | ![]() ![]() ![]() |
第6章 金が万物の尺度になったとき | p.153 | 18分 | ![]() ![]() |
第7章 銀行を賭ける | p.173 | 27分 | ![]() ![]() ![]() |
第8章 金融改革 | p.203 | 38分 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
第9章 アクセスの格差是正 | p.245 | 25分 | ![]() ![]() ![]() |
第10章 蜂の寓話ふたたび | p.273 | 28分 | ![]() ![]() ![]() |
終章 | p.305 | 6分 | ![]() ![]() ![]() |
主にアメリカ合衆国において貸し付けられるローンのうち、サブプライム層(優良客(プライム層)よりも下位…