太平洋戦争における日本軍の敗因を分析した本。戦争の敗因を兵力や物量以外の戦略、組織の視点から分析し、日本軍の失敗の本質を解き明かす。
日本軍の失敗には、日本人独自の思考や組織運営の考え方が原因になっていると結論付け、今日の日本組織においても、陥りがちな罠に教訓を与えている。
20年以上前に発刊されながら、今なお注目され売れ続けるベストセラー。
失敗の本質
①あいまいな戦略目的:明確な戦略が存在せず、全軍の動きが一致しなかった
②短期決戦の戦略志向:あいまいな戦略を生み、補給や兵站を軽視する結果に
③主観的で「帰納的」な戦略策定:精神論により、論理的な作戦がとられなかった
④狭くて進化のない戦略オプション:成功事例に頼り、変化に対応できなかった
⑤アンバランスな戦闘技術体系:一点豪華主義により、量産化できなかった
⑥人的ネットワーク偏重の組織構造:官僚制の中に人的な情緒性が混在した
⑦属人的な組織の統合:陸海軍の作戦統一が属人的な関係に依存し足並み揃わず
⑧学習を軽視した組織:精神力の優位性を強調し、敵を軽視した
⑨プロセスや動機を重視した評価:責任の所在が不明確になり、学習を阻害した
以上の点から、日本軍は、自らの戦略と組織をその環境にマッチさせることに失敗した。
著者 戸部 良一
1948年生まれ。国際日本文化研究センター教授 1976年防衛大学校講師、1980年助教授、1990年同人文社会科学群国際関係学科教授、2009年現職。 昭和戦前・戦時期の日本外交、特に外務省革新派や日中関係、日本陸軍などの研究を行う。
1942年生まれ。早稲田大学商学学術院 教授 専門は、経営戦略論、経営組織論など。
1947年生まれ。防衛大学校 教授
![]() 池田 信夫 |
![]() デンソー 相談役 岡部 弘 |
![]() 元プロ陸上競技選手 為末 大 |
![]() 大和証券グループ本社社長 日比野 隆司 |
![]() ローソン代表取締役 新浪 剛史 |
![]() リブセンス 代表取締役社長 村上 太一 |
![]() 作家 板谷 敏彦 |
![]() 元陸上競技選手 朝原 宣治 |
![]() コラムニスト 林 操 |
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![]() オリックスシニア・チェアマン 宮内 義彦 |
![]() 公文教育研究会 相談役 角田 秋生 |
![]() リクルートワークス研究所 人事研究センター長 石原 直子 |
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章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はしがき | p.11 | 5分 | ![]() |
序章 日本軍の失敗から何を学ぶか | p.19 | 11分 | ![]() ![]() |
一章 失敗の事例研究 | p.35 | 151分 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
二章 失敗の本質―戦略・組織における日本軍の失敗の分析 | p.263 | 52分 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
三章 失敗の教訓―日本軍の失敗の本質と今日的課題 | p.341 | 40分 | ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() 自らの依って立つ概念についての自覚が希薄だからこそ、いま行っていることが何なのかということの意味がわからないままにパターン化された「模範解答」の繰り返しに終始する。それゆえ、戦略策定を誤った場合でもその誤りを的確に認識できず、責任の所在が不明なままに、フィードバックと反省による知の積み上げができないのである。
2013-02-05
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