キュレーションとは?
今、「フリー」「シェア」に次ぐ新しい発想として「キュレーション」という概念が注目されている。
キュレーションは、美術館や博物館で企画や展示を担当する専門職のキュレーターに由来する。キュレーターは、既存の作品、資料の意味や価値を問い直し、コンテンツを絞り込み、それらを結び付けて新しい意味や価値を生み出す。
キュレーションはひと言で表現すれば「編集」または「新しい編集」と言える。
なぜキュレーションが必要なのか?
ビジネスにおいて、キュレーションの発想が求められている。20世紀はあらゆる面で「より多く」「より高度に」を追求してきた時代であった。その結果、私たちはある時から「過剰な世界」に入ってしまった。使いこなせないほどの過剰な機能、比べられないほどの過剰な種類。
ユーザーは、誰かにフォーカスを絞り込んで、今までにない使い易いものを提供して欲しいと考えている。
キュレーションはどのように行われるか?
キュレーションは、次の3段階のプロセスで行われる。
①既存の意味の問い直し(再定義)
②要素の選択・絞り込み・結びつけ(新しい編集)
③新しい意味、文脈、価値の生成(創発)
キュレーションを行う時には、プラットフォームの発想が重要となる。つまり、知と知が結びつき、相互作用により価値が生まれる基盤が必要となる。プラットフォームの発想があれば、連続的な改良改善の発想では生み出せない、非連続のイノベーションを創出できる。
既存のモノをベースに改良改善しようとすると、機能やコンテンツを追加する方法になりがちになる。これでは連続的な変化の域を出る事ができない。
常にプラットフォームを再定義し、ゼロベースで何をキュレーションしていくか、という発想をすれば非連続な変化が可能になる。
イノベーションを生む方法
・発想の転換は機能の「切り出し」から始める
・機能の「排除」「選ばないこと」を選択する
・既存の概念を捨て「再定義」する
イノベーションの事例には次のようなものがある。
・「食べるラー油」= 食べる+ラー油
・もしドラ=ドラッカー「マネジメント」+女子高校マネージャー
・炊飯機能付き弁当箱「HOTデシュラン」=弁当箱+炊飯器+おかずケース
・オフィスグリコ=オフィス+お菓子+B5サイズ+無人販売所
・iPhone = ポケットに入る携帯型コンピュータ
・ダイソン羽根のない扇風機 = 空気を送り出す機器