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2012/05/11更新

予測できた危機をなぜ防げなかったのか?―組織・リーダーが克服すべき3つの障壁

367分

5P

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予見できた危機を防げない理由

予見可能な危機とは、その潜在性を認識するのに必要なあらゆるデータがあり、指導者の目にも見えているのに、効果的な防止策をとらない時に起こるものをいう。
予見可能な危機を防げない要因には、次の3つがある。

①認知要因
次のような認知バイアスによって、人間は非合理的行動をとる。

・楽観幻想により、問題が存在しない、または対処するほどではないと判断する。
・出来事を自己中心的に解釈する。
・将来を過度に軽視する。将来のコストより、現在のメリットを重視する。
・現状を維持したがる。
・危険が迫ってからでなければ、問題に取り組まない。

②組織要因
次のような予見可能な危機を避けるための、情報処理システムが故障することで、組織は危機に対し脆弱になる。

・外部環境、内部環境をスキャンし、あらゆる重大な脅威について情報を集める。
・組織内の各部署に散在する情報を分析し、行動につながる洞察を得る。
・タイムリーな形で対応し、結果を観察する。
・学習した教訓を組織の記憶に組み込む。

③政治要因
社会全体にどんな影響をもたらすかを考えずに、自己の集団の利得を求めようとする特殊利益団体が存在する。

予見可能な危機の特徴

①指導者が問題の存在を知っている
②組織メンバーが気づく時には、もう危機が鼻の先に来ている
③問題に対処するとコストが発生するが、恩恵が現れるのが後になる
④しかるべきコストがかかる
⑤現状を維持しようとするため、危機に備えようとしない
⑥恩恵を受けている特殊利益団体が、改革を阻止しようとする

予見可能な危機を予防する

指導者が行うべきは、発生する脅威を察知(認識)し、行動に優先順位をつけ、効果的な予防措置を準備するのに入手可能な資源を動員する組織能力の強化である。

①認識
効果的な早期警報システムを組織内に確立し、制度化しなければならない。
・組織が何を測定するかを再定義する
・環境スキャンと内部知識の統合に専念するユニットを作る
・シナリオ・プランニング
・過去に発生した危機から学習した教訓を再生し、重要な知識を保存する

②優先順位をつける
「集中することに集中する」手段を組織内に制度化する。
・利害関係者の立場を主張するのでなく、重大な課題や問題を調べる意思決定プロセスを形成する
・行動方針に伴う可能性、費用、便益を評価し、決定オプションと起こりうる結果を明確にする
・インセンティブを調整する

③動員
・問題の存在と行為の必要性への意識を高めるように論拠と資料を示す
・政治的諸関係を分析し、支援連合を形成する
・集団型の学習プロセスを用意する
・迅速かつ効果的に対応する能力のある組織を設計する