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2012/12/29更新

運をつかむ技術: 18年間赤字のハウステンボスを1年で黒字化した秘密

177分

4P

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18年連続赤字のハウステンボスは、なぜ1年で黒字化したのか?

HIS創業者である澤田秀雄氏が、HISやスカイマークの起業、ハウステンボスの再生について語っています。同氏の経営哲学や物事の考え方がわかる内容になっている。


■18年連続赤字のテーマパーク
ハウステンボスは、巨額の投資負担と入場者数の落ち込みが響いて長年赤字が続き、2003年には経営破綻を経験しているテーマパークである。この間何度も経営主体が代わり、金融や経営のプロたちが次々に改革に取り組んだものの、誰が手掛けてもうまくいかなかった。そのハウステンボスは、2011年9月期に営業黒字に転換した。1992年の開業以来18年間で初めての事だった。

2009年秋に最初に依頼を受けた時は、経営に参画する事など、到底考えられなかった。開業以来、どうして毎年赤字なのか。その理由、問題点が理解できて、解決法を立てられなければ、失敗は目に見えている。

最初は全くポジティブな要素が見当たらなかった。佐世保市は、首都圏からも関西圏からも遠く離れている。直通の特急電車で結ばれている福岡からでも2時間近く時間を要する。そして、九州北部の経済圏は大きくない。東京ディズニーリゾートの商圏を比較すると、ほぼ1/20だ。仮に首都圏から一度はお客様を呼ぶ事ができても、リピーターにしていくのは非常に難しい。その上、施設や設備は老朽化が進んでいるにも関わらず、お金はないのだ。

超短要約

■チャレンジすることの価値
最近の若い男性は「草食系」などと言われているが、これは別に男性に限った話ではない。チャレンジする勇気や志が影を潜め、なるべくリスクを取らない方向に進んでいるのは、老若男女を問わない。

その理由を考えると、恐らく日本が豊かだからだと思う。一度豊かさを経験してしまうと、豊かでなくなる事への恐怖感が強くなる。今以上に悪くなりたくない、失敗して指をさされ、社会から落ちこぼれたくない。それが、失敗するかもしれないけれど新しいことにチャレンジしてみようという気持ちを鈍らせる。

しかし、豊かな国に生まれたのだから、失敗してもそう簡単に飢える事がない事をむしろ幸せだと考えるべきだ。世界にはその日の食べ物がなく、ただ生きていく事に精一杯で、チャレンジするチャンスすらつかめない人が数十億人レベルで存在しているのだ。

多くの日本人が不景気を嘆き、こぞって萎縮している状況だからこそ、元気がよく、明るくて、次々にチャレンジする人間の価値が高くなる。ともすると、成功する・しないという事よりも、こういう時代だからこそ、ポジティブな性質でいる事そのものが価値を伴っているとも考えられる。

失敗したら、やり直せばいい。それでもダメならやめればいい。真剣な失敗の積み重ねがとんでもない大成功を生む。大発明につながる。今日本人や日本企業に足りないのは、そこなのではないだろうか。チャレンジしない限り、新しいものはできない。

■運をコントロールする
どんな時でも明るく元気に振る舞う事と同じく、運はとても重要な要素である。人生の90%以上は運に左右されていると言っても過言ではない。運と聞くと、自分ではどうしようもない事であり、まさに天に任せるしかないものと思われる方が多いかもしれない。

しかし、天が運んでくる運と同時に自分で運ぶ運が存在していて、そちらの方が影響が大きいという事実を認識する事が大切ではないかと思う。言い換えれば、運はコントロール可能でもあるのだ。

少しでもいい事をしていると、やがていい人ばかりと付き合うようになる。明るく頑張っていると、もっとすごい人が手を差し伸べてくれたり、チャンスを与えてくれたりする。やがて、自分の能力を引き出してくれたり、新しい可能性を示してくれたりする。

自分ではどうする事もできない運は確かに存在する。しかし、自分で変えられる運、自ら運ぶ事で今後の展開を変えられる運の要素も大きい事を、まずは知って欲しい。

運がいい人というのはたいがいプラス思考の人、元気な人が多い。つまり良い気を出している。すると人が寄ってきて、いろいろなものや、チャンスを与えてくれる。当人や、事情を知らない周りの人は「ツイている」と思いがちだが、実際は必然なのだ。

著者 澤田 秀雄

1951年生まれ。エイチ・アイ・エス 代表取締役会長 ハウステンボス 代表取締役社長 1973年、旧西ドイツ・マインツ大学留学。帰国後の1980年、エイチ・アイ・エスの前身となるインターナショナルツアーズを設立。 1996年、オーストラリアにThe Watermark Hotel Gold Coastをオープン、会長に就任。同年、スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)を設立。 その後証券業などにも参入、2007年、澤田ホールディングス株式会社代表取締役社長に就任。2010年、ハウステンボス株式会社社長に就任。2011年、HTBクルーズ株式会社会長に就任。2012年、公益財団法人東京交響楽団理事長に就任。 現在、株式会社エイチ・アイ・エス代表取締役会長、ハウステンボス株式会社代表取締役社長、HTBクルーズ株式会社代表取締役会長、澤田ホールディングス株式会社代表取締役社長、エイチ・エス証券取締役会長、ハーン銀行会長

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土井 英司

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
序章 チャレンジが生むもの p.9 17分
第1章 いくつかの冒険 p.35 20分
第2章 ハウステンボス新たな挑戦 p.67 27分
第3章 大切な失敗、大切な夢 p.109 18分
第4章 運をコントロールする p.137 23分
第5章 これから p.173 28分
終章 もう一度、旅へ p.217 4分

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