「食う」ための収益モデル
「好き」を「食う」に結び付けるシステムにはパターンがある。収益を得るパターンは、顧客、商品、課金の仕方、支払い方法、資源の5つの領域から考える。
①顧客
一人でビジネスをする場合、個人相手の商売を始めがちだが、顧客を獲得するコストが高くなり、利益率が低くなりがちである。対して、法人の顧客は一般的に大口であり、利益率が高い。法人との取引は最初のハードルが高いかもしれないが、一度取引が成立すると継続的なビジネスになる事が多い。ex.法人相手の花屋、教科書販売する書店
②商品
本業とされている商品以外で実は収益を上げているというパターンが「周辺商品」型モデルである。ex.HISのツアーのお土産販売、ディズニーランドのグッズ販売
また、「共感」型という商品も有望である。ex.「ほぼ日刊イトイ新聞」の手帳販売、AKB48のCD販売
③課金の仕方
商品やサービスを提供した段階だけ収益となるフロー型の課金方法は、誰でも思いつくため過当競争になる。継続的に安定した売上を見込むにはストック型モデルがある。ex.携帯のキャリア、新聞
さらに従量課金型や成果報酬型のエクイティモデルといった事を考える事も可能である。ex.投資ファンド
④支払い方法
サービスを提供した相手に、現金で直接払ってもらうのが基本だが、サービスを提供する側とは別の誰かにお金を払ってもらうパターンが、第三者モデルである。これは、本人の懐が痛まないので、顧客がどんどん商品を購入したりする。ex.トリンプの下着ECサイトの「おねだり機能」
本人の支払っている実感を薄めるため、現金以外に、クレジットカード払い、電子マネー払いの方法もある。ex.スマホアプリ
⑤資源
タダで調達できる、誰かとバーターで実質的にタダになるというのがバーターモデルである。原価や初期費用がかからないので、利益率が高くなる。
ex.自宅で学習塾
この分野でさらに優れたモデルが乗数型モデルというもの。参加する人が増えれば増えるほど価値が出てくるというモデルである。ex.SNS
これらのパターンは、普通にビジネスをするより成果が見込める。実際の起業プランでは、それぞれのパターンを複数組み合わせて自分のビジネスに当てはめる方が有利である。どういう儲け方をするかによって、利益が全然違ってくる。
「好き」で「食う」事を決意した人へのアドバイス
①論理、情理、倫理のバランス良くないと、事業は長続きしない。
②能力を磨くよりもプライドを下げる方が手っ取り早いと思った方がいい。
③やりたい事1つの裏には10のやりたくない事があると悟ること。
④だけど、結局は何とかなるものだ。