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ガリバーの経営も非常識である

現役の東証一部上場企業の経営者が、1年1ヶ月も現場を離れて、ユーラシア大陸を横断するなんて信じられない。そんな非常識な事があっていいのか、と思う人がいても当然である。しかし、非常識と言えば、ガリバーの経営そのものも実は、非常識だと言えるかもしれない。

「自分は、自分なんです。これが、自分だと自信を持った方が良い。他人の常識の中だけで動いては、何も変わらない。お客様のために何が必要かだけを考えれば、答えが出る」

そんな発想から、羽鳥氏はガリバーを起業した。世の中が「いかに売るか」を考えている中で、「いかに買うか」という視点で中古車の買い取り専門店を始め「素人に車を扱えるものか」と揶揄されても、それまでの常識を打ち破って、上場企業に育て上げた。さらに、パソコンを使った中古車の画像販売に挑み、これも「クルマを見ないで売れる訳がない」という常識を覆して、今では年間5万台超を販売している。

「よく経営には、イノベーションが必要だと言われる。それは単に風変わりな事をすればいいという意味ではない。お客様のためにどうあるべきかをとことん考えた上での非常識、そこにある本質こそが、本当のイノベーションにつながるんです」

マラソンは羽鳥氏流の企業経営の一つ

ゴール後、羽鳥氏、須釜氏の両方が口を揃えて語った。超長距離マラソンと企業経営は「同じ」なのだという。

「このマラソンを走っていると、ガリバーを起業した後、株式上場に向けて準備をし、そして一部上場の指定を頂いた頃を思い出すんです。上場という目標に向けて毎日一歩一歩積み上げていった。地味な毎日でしたが、同時に大小様々な問題に直面しながら皆でそれを乗り越えてきた。その時と全く同じ感覚でした」

ガリバーには従業員の価値観、行動の基軸となる「信念12カ条」というものがある。

常に高い志を忘れず、常に情熱を忘れず、常に信頼を忘れず、常にプラス思考を忘れず、常に挑戦を忘れず、常に笑顔を忘れず、常に行動を忘れず、常に謙虚を忘れず、常に真心を忘れず、常に誇りを忘れず、常に覚悟を忘れず、常に感謝を忘れず

マラソンチームのメンバーは、経営者自らが実際に大きな目標に挑戦し、それをやり遂げる過程を通して、全従業員にこの「ガリバーの遺伝子」を分かりやすく示したのだ。それを赤裸々に伝える事で、今後の成長の鍵となる価値観が、単なる記憶ではなく、一人ひとりの心に深く刻み込まれる事を願ったのだ。

ガリバーは挑戦する事を大切にする会社。マラソンを通じて、今後ますます挑戦していく風土が強化され、より強固な組織風土が醸成され続ける組織へと成長していく事だろう。