元NHKキャスターの著者が、NHKで伝統的に受け継がれてきた話し方を紹介している本です。短いニュース番組の中で、信頼を得るために磨かれてきたNHK式の話し方には、一瞬で信頼を得るためのノウハウがつまっていると書かれています。
■信頼されるかは1分で決まる
人は、相手の外見や行動などを見て、「たぶんこんな人だろう」と無意識の内に想像する。相手が何か話し出す前からパッと見で、「やさしそう」「まじめそう」となんとなく感じる事がある。相手の話し方や振る舞いなどの「目に見える情報」から、相手の能力や信頼性など「目に見えないパーソナリティ」を推測する事を心理学では「対人認知」と呼ぶ。心理学者のシュナイダーらは、「対人認知の6種類」として、人が相手を判断する過程を6つに分けた。
①相手の存在に気付く
②パッと見の印象
③行動から受ける印象
④他の特徴を推測
⑤全体の印象形成
⑥将来の行動を予測
この6つは瞬時に、かつ無意識の内に行われる。その時間は1分もかからない。私達は1分以内で、信頼できる人かどうか相手に判断されてしまう。
89年受け継がれてきたNHKの話し方には、7つのルールがある。
①話す目的をハッキリさせる
②「13文字以内」でタイトルをつける
③結論は「最初の15秒」で言う
④「一文50文字以内」にする
⑤「4つの抑揚」で強調する
⑥「1分300文字」でゆっくり話す
⑦独り言から入る
著者 矢野 香
スピーチコンサルタント 元NHKキャスター 大学卒業後、1996年日本放送協会(NHK)入局。 おもにニュース・報道番組を担当。 キャスター歴17年、番組視聴率20%超えを記録した実績を持つ。2013年、NHKを退局。 大学院では、心理学の見地から「話をする人の印象形成」を研究し、修士号取得。 現在は、国立大学の教員としてスピーチ研究を続けながら、政治家、経営者、上級管理職、ビジネスパーソン、学生などに「信頼を勝ち取るスキル」を伝授。
TOPPOINT |
PRESIDENT (プレジデント) 2014年 10/13号 [雑誌] 東京工芸大学教授 大島 武 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに なぜ、一分で一生の信頼を勝ち取ることができるのか | p.1 | 3分 | |
第1章 あなたの信頼は、たった1分で失われる | p.17 | 6分 | |
第2章 「NHK式7つのルール」をマネれば、あなたの話し方が一変する! | p.29 | 19分 | |
第3章 最初の1分の達人はどこが違うのか | p.69 | 13分 | |
第4章 話さなくても、あなたの評価が上がる法 | p.97 | 15分 | |
第5章 こんなに簡単で思わず結果が出てしまう! 相手から絶賛される心理学テクニック | p.129 | 12分 | |
第6章 人前に出た瞬間に勝負あり!? 話す前に成功を取りつける7つの秘策 | p.155 | 15分 | |
第7章 【NHK式+心理学】の集大成! 一分で一生の信頼を勝ち取る自己紹介 | p.187 | 10分 | |
おわりに | p.208 | 3分 |
35文字ルール。1分間に1テーマ。
2014-12-14
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