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2016/01/27更新

異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

301分

2P

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文化の見取り図を作る8つの指標

8つの指標を読み解く際に重要なのは、指標における各文化の絶対的な位置ではなく、2つの文化の相対的な位置関係である。

①コミュニケーション(ローコンテクスト⇔ハイコンテクスト)
ローコンテクストの文化圏においては、シンプルで明快で曖昧さがない事が効果的なコミュニケーションだとされている。一方、ハイコンテクスト文化における良いコミュニケーションのあり方は、共通点や暗黙の了解がある事を無意識に前提としたコミュニケーションを行う。

②評価(直接的なネガティブ・フィードバック⇔間接的なネガティブ・フィードバック)
多くのヨーロッパの国は直接的な批判を行う傾向が高い。アメリカは真ん中に位置し、多くのアジア諸国は直接的ではない。評価の指標で自分より率直な文化を相手にする時は、率直すぎる対応をしてしまう可能性があるため、彼らの真似をしてはならない。

③説得(原理優先⇔応用優先)
原理優先の思考法は、結論や事実を一般的原理や概念から導き出す。反対に応用優先の思考法は、現実世界の個別の事実を積み重ねる事で普遍的な結論へと至る。原理優先の文化の人々は一般的に、行動へ移る前に「なぜ」を理解したがる。一方で、応用優先の人々は「なぜ」よりも「どうやって」に重きを置く傾向にある。

④リード(平等主義⇔階層主義)
「権力格差が低い」事を平等主義と言い、「権力格差が高い」事を階層主義と呼ぶ。平等主義的な文化では、権威ある人間としてのオーラはチームの一員として振る舞う事が培われる事が多く、反対に階層主義的な文化では、周りと一線を画す事が培われる傾向にある。

⑤決断(合意志向⇔トップダウン式)
合意に基づく文化では、全員の意見を聞くため意思決定にかなり時間がかかる。しかし一度決断が下されると、実行はとても迅速だ。反対に、トップダウン式の文化では、意思決定権は個人に委ねられている。この種の文化では、決断は素早く、進行過程の初期に、1人の人間によって下される傾向にある。そして、決断は気軽に修正されたり変更されたりする。

⑥信頼(タスクベース⇔関係ベース)
信頼の指標でタスクベースに寄れば寄るほど、その文化出身の人は認知的信頼(頭からくる信頼)と感情的信頼(心からくる信頼)を分けて考える傾向にあり、仕事においては主に認知的信頼に頼る。

⑦見解の相違(対立型⇔対立回避型)
対立型の文化では、相手自身は傷つけずに相手の意見を攻撃するのがとても自然な事だ。対立回避型の社会では、その2つが密接に結びついている。

⑧スケジューリング(直線的な時間⇔柔軟な時間)
ある文化では明らかな遅刻と見なされるものが、別の文化では時間内として許容される事がある。