信用はお金よりも大切である。日本に昔からある考え方「徳」と信用の関係性を紹介しながら、様々な偉人の事例などをもとに、「与える」ことの大切さを説く一冊。
■「与える者」は救われる
情けは人の為ならず。他人に優しくし、恩義をかければ、他人に対してだけでなく、巡りめぐって自分のところにも戻ってくる。「人助けは報われる」という概念は昔から存在した。
グローバル化が進もうが、結局、成功するには利他的な精神が大事だと再認識させたのが、ペンシルバニア大学ウォートン・スクールのアダム・グラント教授である。成功のピラミッドの一番上を占めるのは、自分の利益を必ずしも優先せずに、惜しみなく人に与える人間である。他者を慮る「ギバー」こそが現代の勝利者になれると研究によって明らかにした。
社会心理学などの多くの実験は自分の目的のみをひたすら追求している人より、人に「与える」、人助けする人の方が成功していることを明らかにしている。
とはいえ、ひたすら人に寛容で親切であることが成功への近道というわけではない。重要なのは、「お人好し」にならずに成功者になるには「徳」を積むルールを知るということだ。
著者 栗下 直也
1980年生まれ。「HONZ」メルマガ編集長 経済記者のかたわら、書評サイト「HONZ」や週刊誌、月刊誌などでレビューを執筆。書籍構成も手がける。 戦前のダダイスト、辻潤の研究がライフワーク。新橋系泥酔派を自認するが、酒場詩人は目指していない。
帯 元マイクロソフト日本法人社長 成毛 眞 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに ロシアンパブと論語と私 | p.2 | 7分 | |
第1章 信用社会の到来 | p.24 | 21分 | |
第2章 偉人の「徳」に学ぶ | p.66 | 36分 | |
第3章 会社は誰のモノなのか | p.138 | 21分 | |
第4章 なんのために働くのか | p.180 | 16分 | |
おわりに 「徳」消費社会をよく生きる | p.212 | 5分 |
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