今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中

デザインの輪郭とは

デザインの輪郭とは、ものの具体的な輪郭のことである。それは同時に、その周りの空気の輪郭でもあり、そのもののかたちに抜き取られた、空中に空いた穴の輪郭でもある。

周りの空気とは環境のことで、それは人やものによって成っている。人間の感情や行為、時間、光、空気など様々な環境要因が、その輪郭を決めている。

じっと目を凝らしていてはっと見えてくるものか、もしくはふっと見た瞬間に現れてくるもの。その輪郭を見いだすことが、デザインである。

輪郭は、日常に散りばめられた無数の要因の中から、その状況に適応した顕著な印紙が瞬時に抽出され結実する。つまり輪郭は外側から導き出される。

ものの適正な姿や位置は、その周りの見えない力の関係によって成り立っている。テーブルの上に一輪の花を生ける時にも、その位置はおのずと決まってくる。地には関係の圧が存在し、花、色、空気、テーブル、壁、その花の周りのすべての要因によって決まってくる。

ものとその周りにある環境との関係が、そのものの輪郭を決めていく。

外の要因や、外の力が、内を決めている。その必然的な力が「張り」である。張りは客観的に感じるものであって、意図的につくり出せるものではない。「張り」を考えることによって、「張り」のあるような造形をやめたのである。

考えない without thougt


深澤流デザイン論

・デザインとは概念を見せるものではなく、まず道具に徹することである。徹することで浮かび上がる共感のもとは、人々の日常の記憶の断片なのである。
誰もが共有する日常の行為を使って、無自覚に、からだが知っている共感の美を探す。

・依頼主から期待される過激な見えも、変化をかたちどった「新しさ」という偏見も、それらの作り手側にある主観の一切の細部を消し去ろうという思いに至った。

・人はものを買うときの期待値としては、わざわざお金を払うから、ふつうを求めていない。しかし、生活に戻った時に急にふつうを期待する。結果的に生活の中に個性的で、突出したものがあふれる。いいふつうが作れると凄いと思う。

・白いご飯は毎日食べているけれども「これがあれば私は幸せです」と断言できるところがある。日常の中で、あたりまえに「わかっていそうで、わかっていなかった」ことをデザインでやりたい。「なんで白いご飯がこんなにうまかったんだろう」って。あたりまえの価値に気づくことが最も感動的だと思う。