米国のロックバンド『グレイトフル・デッド』は、40年以上前から、ファンのみんなに自分たちの音楽を無料で開放していた。ツアーの音楽は録音してコピーし放題。まさに「フリー」であり、「シェア」のはしりである。著作権だなんだと言わず、自分たちの作品を開放したら、たくさんのファンがついて、コミュニティができ、結果としてグレイトフル・デッドの音楽活動は、大きな市場となった。

本書では、グレイトフル・デッドのビジネスモデルを分析しながら、そこから得られるマーケティングのポイントを紹介している。現代のウェブビジネスの事例なども紹介されており、どのようにヒットを生むかという根本を理解する上で参考になる内容になっている。

グレイトフル・デッドの教訓

①従来の業界の思い込みを見直す
製品よりもビジネスモデルの革新が大切である。

②消費者をエヴァンジェリストにする
無料で価値あるものを提供することで、多くの人に知ってもらうことができる。

③消費者に直接販売する
顧客に対し敬意をもって丁重に扱うことが、より熱心なファンを作る秘訣である。

④たくさんの熱心なファンを作る
自分たちの考え方を押し付けず、ファンのコミュニティに自由にさせることが大切である。

著者 デイヴィッド・ミーアマン・スコット

1961年生まれ。マーケティング・ストラテジスト、プロ講演者 ケニヨン大学卒業で、大学寮で大量のグレイトフル・デッドを聴いた。16才のときに初めて日本を訪問し、京都府宇治で日本人家族と1カ月過ごした楽しい経験が心に深く焼きついた。10年後に再び来日し、ウォール街の経済コンサルティング会社ライトソン・アソシエイツの東京支社を創立する。 目的を成功裏に達成した後、米大手新聞ナイトリッダーファイナンシャル部門のアジア地域マーケティング・ディレクターに就任

1967年生まれ。ハブスポット社共同創業者CEO インターネットマーケティング会社ハブスポット社の共同創業者CEO。マサチューセッツ工科大学のアントレプレナー・イン・レジテンスとして学生に起業について教える。余暇には、いくつかの会社の理事を務め、1922年にアメリカのソフトウェア会社PTCの日本支社を創立するために来日し、大きく成長させた。