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2012/06/08更新

贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)

190分

5P

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贈与の歴史を知る

中元、歳暮、結婚祝い、出産祝い、香典。バレンタイン、クリスマスなど贈答儀礼の多い日本。しかし、日本における贈与には、賄賂や虚礼といった負のイメージがつきまとう。
贈与という慣習が発展した中世について、その歴史をひも解きながら、贈与という文化について考察している。


■日本の贈与は功利的
欧米の「贈与」は慈善というキリスト教の精神をかいくぐってきたため、プラス・イメージで捉えられる場合が多い。政治・経済・外交などあらゆる領域に贈与の精神が生かされるべきだとされる。

ところが、日本では「贈与」と言えば、義理や虚礼、賄賂といった負のイメージがつきまとう。特に日本の贈与は義務感に基づいてなされる傾向が強い。

このような贈与のあり方は、12〜16世紀頃、鎌倉・室町時代に形成されてきた。この時代、特に贈与は功利的性質を帯びる。市場経済にみられた合理的思考や計算、打算といった観念は、贈与の領域にも深く浸透していた。贈与経済と市場経済は、一般的に信じられているほど対立的なものではない。

超短要約

日本では「贈与」と言えば、義理や虚礼、賄賂といった負のイメージがつきまとう。特に日本の贈与は義務感に基づいてなされる傾向が強い。

贈与をめぐる義務には次の4つがある。

①贈物を与える義務
日頃お世話になっている人に贈り物をする。実際には暗黙の圧力・義務感のもとで贈られることも多い。

②それを受ける義務
贈り物の拒否は贈与者と特別な人間関係を築くことの拒否を意味する。贈与を拒否すれば、将来に深い禍根を残すこともある。

③お返しの義務
贈ったのにお返しがないと不快感を覚える、あるいは逆に贈られたのにお返しをしないのは落ち着かない。そこには、贈り物を一種の債務・負債と感じる意識がある。

④神々や神々を代表する人間へ贈与する義務
現代になって最も希薄化したものであるが、かつての人々の生活では大きな比重を占めていた。例えば、寺社の賽銭、供物がこれにあたる。

中世における日本では、功利的な贈与経済が100年にわたって続いた。日本の贈与に対する負のイメージは、こうした記憶なのだろう。

著者 桜井 英治

1961年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻 准教授 専門は日本中世史・流通経済史。北海道大学大学院文学研究科助教授を経て、2006年東京大学助教授、2007年准教授。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
第1章 贈与から税へ p.3 24分
第2章 贈与の強制力 p.39 45分
第3章 贈与と経済 p.107 45分
第4章 儀礼のコスモロジー p.175 29分
おわりに p.219 3分

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