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2012/03/16更新

モノづくり原論

158分

3P

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作り手と使い手の心を重ね合わせる

今の日本のモノづくりは、コストや効率、スピード、生産性といったキーワードにばかり気をとられて競争している。コストも効率も大切だが、そこだけに注力しているとユーザーはますますモノから離れていく。
機能や性能といったハードな質でなく、快適さ、安全、安心、幸せ、満足といった人間の感性に訴えかけるような質を追求するモノづくりに、今こそシフトしていくべきである。

日本のモノづくりは、モノと心、作り手と使い手の心が重なり合うようなあり方を模索すべきである。世の中のこんなことに役立つモノを作ってみたい、という夢や思いを持つ作り手がいるところに、その夢の実現を目指して皆で協働していく仕組みがあれば、そこに良きモノが生まれる。日本のメーカーは、モノに魂を込めていくようなモノづくりに回帰すべき時である。

ブランドづくりの基本三原則

モノづくりが目指すべきは、モノを超えて使い手に愛されるブランドになることである。ブランドがゼロから立ち上がる時に注意すべき点は次の通りである。

①過剰の原則:80点でなくとことんを目指す
100点体験だけがゴールで、それ以外は0点。相手のことを思ってとことんやることが大切である。

②一人の原則:すべてのお客様よりたった一人のお客様
一人の顧客を喜ばせられないなら、他の顧客の誰一人として喜ばせられない。一人の人の心に残る体験はその人の回りにいる大勢の人に伝わる。

③定番・革新の原則:「おやっ」そして「なるほど」
顧客の心に残る体験の一つは、定番の期待の中に2、3割驚きがあること。

職商人に学び直せ

消費者の未来ニーズを把握するためには、もっと実際の生活の場に入り込んで、消費者と何度も対話を繰り返し、それを体で感じ取り、すくい上げる努力が必要である。

朝市でモノを売る農家のような、職人と商人の器量を兼ね備えた人を職商人という。職商人は、簡単に作り手と売り手、消費者との壁を乗り越えて、消費者の心をつかんでしまう。そこから未来のニーズを得る。職商人は以下の点を大切にしている。

①モノを自ら作って売るが、決して売りっ放しにしない
②顧客を思う心をモノに込める
③モノを通して、顧客と対話し、心を通わせる
④作る→売る→使う→作る という循環を大切にしている

職商人は顧客より常に一歩先を歩き、顧客の要望を超えたモノを提供することで、顧客に喜びや驚きを与えている。日本のモノづくりは、かつての職商人の時代に大切にしていた作り手・売り手・使い手(消費者)を統体として考える姿勢を再び取り戻す時機に来ている。