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2012/04/18更新

資本主義以後の世界―日本は「文明の転換」を主導できるか

  • 中谷 巌
  • 発刊:2012年1月
  • 総ページ数:350P

339分

10P

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グローバル資本主義の根源的欠陥

グローバル資本主義には3つの根源的欠陥があり、いずれも深刻化している。

①グローバル資本の国境を越えた移動が、世界経済を不安定化させる。急激かつ巨額の資本流出入がバブル発生と崩壊を生み出し、金融危機をもたらす。

②資本主義の目的である「資本の自己増殖」を実現させるためには、自然の搾取が不可欠であり、地球環境の汚染・破壊を加速させる。

③グローバル競争の結果、富の偏在、所得格差の拡大が起こる。多くの国で中産階級が消失し、社会の二極化現象が起こる。

資本主義は「自壊した」のか

・欧州
ギリシャの財政赤字の隠蔽が明らかになり、実態債務残高はGDPの158%になることが判明。ギリシャ国際は暴落し、金融危機が再燃した。ドイツやIMFなどが金融危機を回避しようと努めているが、米国ですら救済資金を出す余裕がない。

・米国
米国政府は、景気回復のために、巨額の財政出動を断行した。大胆な金利利下げ、金入緩和を行ったが、その効果が表れていない。FRBは6000億ドルの米国債の直接引き受けを決定。これは通貨が国中に溢れ出すことを意味し、ハイパーインフレを引き起こしかねない。

中国の資本主義

中国は、資本が国境の壁を軽々と飛び越えて自由に行き来できるような「グローバル資本主義」に対し、距離を置いている。米国は従前から人民元の切り上げ、為替自由化、資本取引の自由化を中国政府に要求し続けてきたが、中国政府は応じなかった。

現在でも中国は、外国資本による実物資産の裏付けのない投機的な金融取引資産の流入を認めていない。資本の自由化は部分的であっても、経済発展は可能だということを中国は証明している。

グローバル資本を規制せよ

我々の日常生活は「贈与」という精神を忘れ、あまりにも「交換」という考え方に偏っている。交換には必ず見返りが必要であり、これが近代社会の常識である。
しかし、人類は交換に加えて贈与という行為を取り入れることで人間同士の結びつきを確認し「社会」を形成してきた。現代人は贈与の精神を忘れ、市場を通じた交換こそが人間を幸せにすると錯覚した。だから、社会が荒廃し、文化が廃れていく。

資本主義は、物質的な生活水準を引き上げたが、多くの点で破壊的な作用をもたらした。「資本主義以後の世界」においては、グローバル・マネーの投機的な動きを規制しなければならない。そうでなければ、リーマンショックのような金融危機は恒常化する。世界経済の安定化のためには、投機資本の取引規制が国際合意されることが望ましい。

そのためには、我々はかつて持っていた「贈与」の精神を思い起こすことが重要である。「交換」から「贈与」への文明の転換を主導し、資本主義以後の世界を主体的に構築していかねばならない。