元日本マイクロソフト社長でもある著者が、娘の就職活動開始時の「戦略会議」から内定獲得までの道のりを語る。
娘と考えた就職活動におけるノウハウを紹介しています。会社説明会、OB訪問、エントリーシートや面接の対処法など、独自の戦略が書かれている。
これからは親も子供と一緒に就活に取り組むべきだと説いている。学生だけでなく、その親も読んで参考になる1冊。
■これから選ぶべき会社
マイクロソフトやアップルなどのIT企業は、これ以上伸びようがない。伸びたとしても10倍になったりはしない。グーグルやフェイスブックといったネット企業も、極端な成長は期待できない。
もし就職先として選ぶならば、川上産業が良い。川上産業とは商流の川上にある会社である。例えば車を造るのに板金、ガラス、タイヤ、シート用の部品など様々な素材を使う。それらに使う素材自体をつくる企業が川上である。ガラスなら、日本板硝子、旭硝子が川上となる。
素材を製造する企業が強いのは、景気にもさほど左右されず、この先何十年、何百年も続くからである。素材の製造業は世界的に独占化が進み、技術がそこだけに集中して、新しい競争相手が出現しにくい。
川上産業で将来有望な業界は、穀物である。BRICsをはじめとした新興国の生活水準が向上し、食料の需要が急増している。現在、家畜の飼料にはトウモロコシが使われているが、肉の消費量が増えれば、トウモロコシが必要になる。
また、穀物を運ぶものは船である。つまり海運業もこの先ずっと需要のある分野となる。川上産業は、他に繊維、レアアースなどの希少金属、液晶などいくらでもある。テレビCMで目立つ産業や有名な産業である必要はない。つまり、人気のある仕事を選ばず、人気が出る仕事を選ぶことが大切である。
著者 成毛眞
1955年生まれ。インスパイア創業者・取締役 元マイクロソフト日本法人社長、現在は株式会社インスパイアでコンサルティングやベンチャー企業への投資などを行っている。 また、スルガ銀行株式会社、株式会社スクウェア・エニックスの社外取締役や、様々なベンチャー企業の取締役・顧問などを兼職。早稲田大学客員教授も務める。
週刊 ダイヤモンド 2012年 3/31号 [雑誌] コラムニスト 林 操 |
週刊 ダイヤモンド 2012年 5/12号 [雑誌] 八重洲ブックセンター販売課 柏 明美 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.1 | 3分 | |
第一章 父娘の就活戦略会議 | p.13 | 29分 | |
第二章 面接では「コイツだったら」を目指せ! | p.59 | 36分 | |
第三章 大学は就活のためにある場所だ | p.117 | 30分 | |
第四章 私なら、こんな人を採用する | p.165 | 14分 | |
第五章 今、親のあなたへ これから親になる人へ | p.187 | 18分 |
ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか? [Amazonへ] |