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2012/08/17更新

空き家急増の真実―放置・倒壊・限界マンション化を防げ

173分

4P

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このままでは空き家が増え続ける

高齢化や過疎などにより空き家が急増している。統計や直近の事例などを紹介しながら、現状の空き家問題を解説。今後、大きな社会問題となりつつある問題について、その解決策を提案している。


■空き家の実態
日本全国の空き家数は年々増加を続けており、2008年の空き家数は757万戸、空き家率は13.1%に達した。空き家は4つに分類され、空き家全体に占める各割合は次の通り。

①売却用住宅:4.6%
②賃貸用住宅:54.5%
③二次的住宅(別荘など):5.4%
④その他住宅:35.4%

その他住宅は、①〜③以外のもの。居住者の転勤や入院で長期間不在となったり、居住者が高齢になり、転居、死亡した後、これを使う人がおらず空き家になっているものなどが含まれる。

売却用住宅の空き家率は1.0%、賃貸用住宅の空き家率は16.8%。売却用住宅は、最終的に売れ残らないように値下げされるため、空き家率は低い。一方、賃貸用住宅は、10%程度の空き家率を折り込んで経営されるが、それを上回る水準になっている。

賃貸用、売却用とも市場に出ている限りにおいては、最低限の物件管理が行われるため、物件が朽ち果て、周囲の環境に悪影響を及ぼすなど、外部不経済をもたらすケースは少ない。外部不経済の問題は、「その他」空き家において深刻になる。

超短要約

■空き家になった理由
持ち家において、空き家になった理由をは次の通り。

・別の住居へ転居した:28.6%
・相続により取得したが入居していない:20.4%
・転勤等の長期不在:8.2%
・二次利用のため取得、普段は未利用:8.2%

持ち家の空き家は古い物件が多く、空き家継続期間が長く、腐朽・破損している物件の割合も多い。こうした空き家は、売却・賃貸の意向は少なく、使い道としてはせいぜい物置として利用するという状態になっている。こうした状態が長く続くと、外部不経済をもたらす可能性が高くなる。

■都道府県の空き家の特徴
その他と賃貸用住宅の空き家率については、高齢化が進み人口が減少している地域ほど高い。

・賃貸用:福井29.1%、山梨27.0% ⇔ 神奈川14.4%、東京13.0%
・その他:和歌山9.1%、島根9.0% ⇔ 神奈川2.9%、東京2.8%

また、マンションについては分譲、賃貸ともに政令指定都市の空き家率が低く、それ以外の都市では空き家率が高い傾向にある。マンションの空き家問題は、地方都市で大きな問題になっている。

・分譲:和歌山49.4%、鳥取43.6% ⇔ 横浜9.2%、川崎8.9%
・賃貸:福井38.6%、水戸29.3% ⇔ 東京都区部12.8%、川崎11.1%


2050年の日本の総人口は9515万人となる。東京圏の人口は当面増加した後、2020年に減少に転ずるが、他の地域では一貫して減少する。また、居住・無居住の別で見ると、2050年までに現在、人が居住している地域の内約2割が無居住化する。

こうした長期展望を基に地域別の空き家率の今後の方向性を考えると、無居住化した地域では、すべてが空き家になる。空き家数は2030年1130万戸、2050年1550万戸程度になる。

著者 米山 秀隆

富士通総研 上席主任研究員 野村総合研究所、富士総合研究所を経て、現職。 2007~2010年慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所客員研究員。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.3 2分
第1章 「住宅・土地統計調査」からわかる空き家の実態 p.13 26分
第2章 地域の実態調査から見た現状 p.55 26分
第3章 将来展望 p.97 13分
第4章 空き家対策 p.119 33分
第5章 空き家を活用した住宅市場の再構築 p.173 16分
第6章 積極的活用に向けて p.199 15分

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