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クリステンセン教授のハーバード・ビジネススクール最終講義

クレイトン・クリステンセンが、企業の戦略理論の事例を人生におけるキャリアや人間関係に役立つツールとして紹介。ハーバード・ビジネススクールで学生達に語った最後の講義がまとめられた自己啓発書。


■わたしたちを動かすもの
私たち一人ひとりを動かすものには、誘因(インセンティブ)と動機づけ(モチベーション)という2つの概念がある。

誘因理論は、金銭的報酬の必要性を説き、高騰する役員報酬を擁護する根拠として広く用いられている。理論が提供する助言が信頼できるかどうかを判断するには、アノマリー(その理論で説明できない事象)を探すのが一番である。誘因理論の問題点は、強力なアノマリーが存在することだ。

例えば、慈善団体の職員の報酬は、民間部門の数分の一でしかないが、職員のやる気のなさに困っている話を聞いた事がない。また軍隊にも素晴らしい人材が集まっている。

一方、動機づけ理論は、誘因理論を逆さにしたものである。この理論は衛生要因と動機づけ要因という2種類の要因を区別する。仕事には、少しでも欠けていれば不満につながるという衛生要因がある。ステータス、報酬、職の安定、作業条件、企業方針などがこれにあたる。ここでは報酬は、動機づけ要因ではなく衛生要因に含まれる。衛生要因を改善しても、せいぜい仕事が嫌いでなくなるだけで、仕事を心から好きになれる訳ではない。

超短要約

■道徳のジレンマ
1990年代末のアメリカでは、ブロックバスターが映画レンタル業界を支配していた。こうした中、ネットフリックスという小さな新興企業が、斬新なアイデアを引っさげて登場した。顧客にビデオ店まで足を運んでもらわなくても、顧客にDVDを郵送すればいいじゃないか?ネットフリックスのビジネスモデルは、利益をあげる仕組みがブロックバスターとは逆だった。ネットフリックスは顧客から月額定額料金を徴収したため、顧客がDVDを鑑賞しなければ、配送料がかからず利益があがった。

ネットフリックスには成長の兆しが見られた。しかし、ブロックバスターの経営陣は、自社の経営数値を比較し、ネットフリックスが追求していた市場が小さいと判断し、これを放置した。結果、2011年にネットフリックスの顧客数は2011年に2400万人近くに達した。そしてブロックバスターは、前年に破産を宣言した。

ブロックバスターはDVD郵送サービスを「限界的思考」のレンズを通して見た。つまり、自社の既存事業の観点からしか、とらえる事ができなかった。ネットフリックスに追随戦略をとることは、自社の既存事業を破壊しかねない事だった。他方、ネットフリックスは何の限界的思考にも縛られずに、まっさらの状態で機会を評価できた。

既存企業の経営陣が投資の是非を判断する時、メニューには必ず2つの選択肢がある。1つが、全く新しいものをつくる際にかかる総費用。2つ目が既存資産を活用する際の、限界費用と限界収入だ。そして必ずと言っていいほど、限界費用の理屈が総費用を圧倒する。これに対して、新規参入企業の場合、メニューに限界費用という項目はない。理にかなっていると判断すれば、総費用の選択肢を選ぶまでだ。

競争が存在する時、既存企業がこの理論に従って既存資産の活用を進めると、総費用をはるかに上回る代償を支払うことになる。なぜなら、競争力を失う羽目に陥るからだ。限界的思考は、とてつもなく大きな危険をはらんでいる。成功している企業がこの思考にとらわれたせいで、将来への投資を見送り続け、最後に失敗する例はあとを絶たない。

同じことが人にも言える。私たちは限界費用の考え方を、善悪の判断にも同じように用いている。何かを「この一度だけ」行うことの限界費用は、必ずと言っていいほど、それをはるかに上回る総費用がかかる。限界費用分析をもとに「この一度だけ」の誘惑に屈すれば、行き着く先で必ず後悔する。

こうした倫理的妥協が招く厄介な影響を免れる方法は一つだけある。そもそも妥協を始めないことだ。自分の主義を100%守る方が、98%守るよりたやすい。

著者 クレイトン・クリステンセン

1952年生まれ。ハーバード・ビジネス・スクール教授 ボストンコンサルティンググループで活躍後、ホワイトハウスフェローとして運輸長官などの補佐を務める。 1984年に、セラミックス・プロセス・システムズ・コーポレーションというベンチャー企業を起業し、社長・会長を歴任。その後、現職。

著者 ジェームズ・アルワース

ハーバード・ビジネススクールを成績優秀者に贈られる、ベイカースカラーで卒業。 ブーズ・アンド・カンパニーとアップルコンピュータで勤務していた。

著者 カレン・ディロン

編集者 2011年まで『ハーバード・ビジネス・レビュー』の編集者として20年のキャリアをもつ。2011年、アショカ財団により世界で最も影響を与えた女性として選出される 。

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TABLE FOR TWO チーフ・マーケティング・オフィサー 大宮 千絵

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
序講 p.1 6分
第1講 羽があるからと言って… p.9 9分
第1部 幸せなキャリアを歩む p.21 5分
第2講 わたしたちを動かすもの p.27 15分
第3講 計算と幸運のバランス p.47 17分
第4講 口で言っているだけでは戦略にならない p.69 12分
第2部 幸せな関係を築く p.85 5分
第5講 時を刻み続ける時計 p.91 14分
第6講 そのミルクシェイクは何のために雇ったのか? p.109 20分
第7講 子どもたちをテセウスの船に乗せる p.135 18分
第8講 経験の学校 p.159 17分
第9講 家庭内の見えざる手 p.181 14分
第3部 罪人にならない p.199 2分
第10講 この一度だけ… p.201 13分
終講 p.218 11分

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ユーザーのしおりメモ (4)

Hiromichi Nishino

23
2017-02-04
 

Naofumi Tsukamoto

自尊心、つまり自分には解決できるという自信をもって、問題に恐れずに取り組む姿勢は、ありあまる資源から生まれるのではない。困難を乗り越え、大切なことを成し遂げてこそ生まれるのだ。
2013-02-05
 

Naofumi Tsukamoto

妻が片づけようとしている用事は、彼女が片づけたがっているとあなたが考える用事とは、かけ離れていることが多い。(中略)夫は献身的な自分に酔い、自分が与えているものに気づきもしないといって、妻を自己中心的と決めつける。もちろんその逆もある。
2013-02-05
 

Naofumi Tsukamoto

資源配分の方法が、自分の決めた戦略を支えていなければ、その戦略をまったく実行していないのと同じだ。(中略)結局のところ、戦略は正しく実行されなければ、ただの善意でしかないのだ。
2013-02-05