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2013/01/14更新

「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー

158分

5P

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野球は理屈で強くなる? 超進学校の野球戦略

東大合格者数1位の開成高校。その野球部は、7年前の高校野球予選の東東京大会でベスト16、今年はベスト32に勝ち進んだ。頭脳と理屈で、野球は勝てるのか?
開成高校野球部の取材をもとにしたノンフィクション物語。


■超進学校の野球部は強いのか?
開成高等学校は、毎年200人近くが東京大学に合格するという日本一の進学校である。受験シーズンになると毎年注目を浴びるのだが、スポーツの世界でその名を聞く事はほとんどない。ところが、平成17年の全国高等学校野球選手権大会の東東京予備選で、同校の硬式野球部がベスト16にまで勝ち進んだ。最後に敗れた国士舘高校が優勝したので、ややもすると夏の甲子園大会に出場できたのである。

さらには平成19年に「開成がさらに強くなっている」と聞いて、いよいよ頭脳プレイでも花開いたのかと思い、早速取材を申し込んで同校を訪れたのであった。

開成高校にはグラウンドが一つしかない。他の部活との兼ね合いで、硬式野球部が練習できるのは週1回。それも3時間ほどの練習で、彼らはベスト16入りを果たしたのだ。開成がベスト16入りした際の戦績を調べてみると、勝つにせよ負けるにせよほとんどの試合がコールドゲーム。9回まで戦う事がほとんどないのである。

超短要約

■バッティングとは「物理現象」
開成高校の練習はそのほとんどがバッティングだった。ピッチャーが投げる球をバッターが次々と打つ。青木監督によるとバッティングとは「物理現象」。バットの芯が楕円軌道を描き、その直線部分に球を正面衝突させる。トップスピードでの正面衝突。

「打撃で大切なのは球に合わせないことです。球に合わせようとするとスイングが弱く小さくなってしまうんです。タイミングが合うかもしれないし、合わないかもしれない。でも合うという事を前提に思い切り振る。空振りになってもいいから思い切り振るんです」

「ピッチャーが球を持っている内に振ると早すぎる。キャッチャーに球が届くと遅すぎる。その間のどこかのタイミングで絶対合う。合うタイミングは絶対あるんです」

これも一種のギャンブル。一発当たれば儲けものなのだ。

■投げ方さえ安定すればピッチャー
開成では向き不向きを考えてはいけない。そう考えるとほとんど全員が野球に不向きという事になり、もともと「存在してはいけないチームになりかねない」からである。ポジションの決め方の基準は極めてシンプル。

・ピッチャー:投げ方が安定している
・内野手:そこそこ投げ方が安定している
・外野手:それ以外

「ちゃんと半身になって両肩を結ぶ線より上に肘を上げて、体重移動で前に投げる。これができるか否か。安定的にできればピッチャーです」

■理屈で守る
「ノック練習していて、虚しくなったんです。いくら打っても捕れない。捕る前に打球に対してやる事があるだろうと、理屈で教えることにしたんです。他のチームなら自然に身に付く事でも、ウチは全部理屈で教えなきゃいけませんから」

「球を捕るという行為には二つの局面があるという事です。一つは球を追いかける局面。捕りやすい所に自分が移動するという局面です。そして、そこでいつまでも追いかけていくんじゃなくて、今度は球を捕る局面です」

「球を捕る局面の動作は判で押したように常に一定でなければならない。機械と同じです。膝を曲げ、右投げなら右足の位置を決めて、次に左足を決めて捕球。大切なのは局面の切り替えを正確にする事です。追いかけながら捕らなきゃいけないゴロは、例外として考えます」

基本動作に合った球だけ捕る。それ以外はなかった事にするのである。理屈と動作を分解する事が、開成では功を奏したらしい。

著者 高橋 秀実

1961年生まれ。ノンフィクション作家 テレビ番組制作会社勤務を経て、ノンフィクション作家。 『ご先祖様はどちら様』で、第10回小林秀雄賞を受賞。 元ボクサーで、ボクシングのジムトレーナーを務めていた経験も持つ。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
1回 エラーの伝統 p.9 14分
2回 理屈で守る p.32 15分
3回 みんな何かを待っている p.56 13分
4回 結果としての甲子園 p.77 12分
5回 仮説の検証のフィードバック p.97 14分
6回 必要十分なプライド p.120 15分
7回 ドサクサコミュニケーション p.144 16分
8回 「は」ではなく「が」の勝負 p.169 14分
9回 ややもすると甲子園 p.192 6分

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