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2013/02/11更新

この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義

  • 池上 彰
  • 発刊:2012年11月
  • 総ページ数:255P

196分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

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池上彰教授の「わかりやすい教養講義」

2012年に東京工業大学の教授に就任した池上彰氏の講義を書籍化したもの。国際情勢を中心に、経済や社会保障、宗教など幅広い問題をわかりやすく解説している。
きちんと世の中の事を考えるための基礎知識が満載の1冊。


■世界地図から見える領土の本音
それぞれの国や地域で発行されている世界地図には、それぞれの政府がふだんは声高には言わない建前や主張が込められています。

イランの世界地図を見ると、イスラエルが存在していません。イスラエルの場所には「パレスチン」と表記されています。パレスチナです。イランとしては、「イスラエルの建国によって多数のパレスチナ難民が生まれた」という思いがあり、イスラエルを認めていないのです。

中国の地図では、北方領土は日本の色に塗られています。かつて東西冷戦時代、中国とソ連は激しく対立していました。ソ連を包囲するには、どうしたらいいのか。ソ連と対立する米国、日本と関係を改善すればいいと毛沢東は考えました。中国の敵であるソ連と北方領土問題で対立している日本との関係を改善するためには、北方領土を日本のものと認める。それが今も地図の上に残っているのです。

超短要約

■なぜ「反日」運動が起きるのか
中国の人口は13億人。この中国を統治する中国共産党の党員数は8260万人です。党の運営は、党員から選ばれた中央委員会が行うのですが、年に一度しか総会が開催されません。そこで、さらに上の中央政治局が実権を握ります。委員は25人、内9人が常務委員となって日常の方針を決定しているのです。13億人の国民をたった9人が統治する構造です。

中国は中国共産党による事実上の一党独裁と表現されます。建前として共産党以外に8つの「民主党派」があるのですが、これら政党はいずれも綱領に「共産党の指導を受ける」と明記しています。他の政党は設立すら認められていません。

1989年6月、天安門事件によって、政府や共産党による言論統制に不満を持った学生たちの民主化運動が弾圧されました。激怒した鄧小平氏は「愛国教育」を徹底させます。実際は「共産党を愛そう」というキャンペーンでした。

中国共産党は反日運動の「五四運動」の高まりの中から生まれ、日中戦争の中で勢力を拡大しました。つまり、「共産党を愛そう」というキャンペーンは、結果的に「反日教育」になっていったのです。こうして中国には反日的な若者が増えることになりました。共産党の過去の都合の悪い歴史は教えず、功績だけを称える。この手法が使われ続けているのです。

■君は年金に入るべきか?
まず押さえておかなくてはいけない事は、年金とは保険である事です。「長生きのリスク」に備えたものなのです。せっかく長生きしたのに生活ができないようでは困ります。若い内から保険料を納める事で、歳をとったら保険金にあたる年金を受け取れるようにしようという制度です。保険ですから、「受け取れないのは損だ」という発想は、本来おかしいのです。

日本の年金制度は始まった当初は積立方式でした。ところが、この仕組みはインフレに弱いのです。インフレが進んでしまうと、いざ年金を受け取る時に実質は雀の涙になりかねません。そこで、1973年度から賦課方式の要素が強まりました。現役世代が払い込む保険料を、その時点での高齢者に年金として払う仕組みです。

高齢者が増えて年金受給者は増える一方で、少子化によって保険料を納める人の数は減っていく。果たして今の年金制度は維持可能なものであるのか、どうか。これがしきりに議論されるようになりました。日本の年金制度は先行きは不透明。危機的な印象を受けます。但し、だからといって、「年金入るのやめた」では解決になりません。みんながそう考えると、実際に年金制度は崩壊してしまいます。年金は、世代間の支え合いであり、リスクに備えた保険である事を考えたら、国の社会保障の中核として維持していく事が求められます。その時、され、どのような仕組みが望ましいのでしょうか。

著者 池上 彰

1950年生まれ。ジャーナリスト 記者やキャスターなどを歴任したNHK退職後はフリーランスとして活動し、各種メディアに出演している。日本ニュース時事能力検定協会理事。信州大学特任教授。「毎日新聞」『開かれた新聞』委員会委員。2012年より東京工業大学リベラルアーツセンター教授。

この本を推薦しているメディア・人物

週刊 ダイヤモンド 2013年 1/26号 [雑誌] 週刊 ダイヤモンド 2013年 1/26号 [雑誌]
丸善・ジュンク堂営業本部 宮野 源太郎

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに 「学際的教養」のススメ p.7 3分
Lecture1 実は原爆を開発していた日本 p.12 7分
Lecture2 世界地図から見える領土の本音 p.23 9分
Lecture3 日本国憲法は改正すべきか? p.37 10分
Lecture4 紙切れを「お金」に変える力とは p.53 9分
Lecture5 悪い会社、優れた経営者の見分け方 p.68 10分
Lecture6 経済学は人を幸せにできるか p.85 12分
Lecture7 リーマン・ショックとは何だったのか? p.105 9分
Lecture8 君は年金に入るべきか p.119 9分
Lecture9 視聴者が変える21世紀のテレビ p.133 9分
Lecture10 オウム真理教に理系大学生がはまったわけ p.147 8分
Lecture11 「アラブの春」は本当に来たのか? p.160 8分
Lecture12 大統領選でわかる合衆国の成り立ち p.173 9分
Lecture13 なぜ「反日」運動が起きるのか p.187 11分
Lecture14 “金王朝”独裁三代目はどこへ行く p.205 10分
Lecture15 君が日本の技術者ならサムスンに遺跡しますか? p.222 19分
あとがきに代えて 「現代世界の歩き方」 p.253 2分

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