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2013/02/10更新

たくらむ技術 (新潮新書)

135分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
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  • 学術系
  • 感動する
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  • 事例が豊富な

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「ロンドンハーツ」「アメトーーク! 」プロデューサーの仕事術

「ロンドンハーツ」「アメトーーク! 」など大人気番組のプロデューサーが、どのようにヒットを生み出すのか、番組作りの考え方を公開。人気番組が作られている裏側がよくわかる1冊。


■クソマジメに仕事を積み重ねる
僕の番組では通常9台のカメラで収録しているので、「収録時間」の9倍が「撮影VTR時間」になる。仮に2時間の収録だとすると、18時間分のVTRが素材として残る事になる。これを1時間の番組に編集していくのは、大変な作業になる。「アメトーーク!」は1回の放送でおよそ1200カット、250枚くらいテロップを入れる。さらに効果音、音楽、ナレーションなどの細部までチェックする。

僕は自分の仕事を「饅頭作りの職人さんのようなもの」というイメージで捉えています。1つ1つの作業を丁寧に行い、納得のいくものを作る。常に一定以上レベルをクリアし、そうでないものは店に出さない。職人である以上、クソマジメに仕事を積み重ねなくてはいけない。

超短要約

■勝ち続けるために負けておく
番組での企画は「3勝2敗」くらいのペースでいい。ここで言う「負け」とは、「一部から強く支持されそうだけど、外すかもしれないもの」というイメージ。「勝ち」は「一度やって評判の良かった企画の第2弾」など。ある程度「負け」のようなものを混ぜていく事も良しとしないと、「先細り」を招いてしまう。

1回目に15%程度の高い視聴率を取った企画は、その後も「勝ち企画」として、繰り返し放送しても12〜13%程度の視聴率は安定して取れるかもしれない。しかし、最初の面白さやインパクトを常に超える事は難しい。視聴者に驚きがなくなるからである。だとすれば、「負け」を覚悟してでも、新しい事、面白い事を混ぜていかないと、番組は力を失っていく。目先の視聴率を追って、安全パイのような企画を続けていれば結果的に自分達のクビを絞める事になる。

■否定の意見を聞く
番組会議でも、あえて否定的な意見を募る事もある。すごく面白い、いい企画がスムーズに出来すぎて、みんなノリノリになっているような時に、「じゃあ、このへんで1回否定的に考えてみましょう」と言って、あえてその企画の問題点を探してみる。

あえて否定的な視点で企画を見て見ると、問題点や懸念材料、トラブル要因から企画の矛盾点まで、色々な事が目に付くようになる。

■ハードルを上げない
番組を作る際に、とりわけ注意している1つが「ハードルを上げない」という事。テレビに限らず新聞や雑誌などでも、「あおり系」のタイトルはよく使われているが、決してこういうやり方はとらない。結局「超ド級」「大暴露」とやって、自らハードルを上げても、あまりいい事がない。目先のインパクトで視聴者を引き付けようとした結果、「もっと過激な暴露を期待していたのに」など、つまらないと思わせてしまう。背伸びをしない方が、純粋に中身を見てもらえる。

■計算だけで100点は取れない
いいディレクターは、段取りを頭に入れておきながも、その場で瞬時に判断して、起きた事に臨機応変に対応できる。段取りから外れていっても、その展開が面白ければ、そこを膨らませるし、逆につまらなければ自然な形で戻すようにする。

そもそも段取り通りに進む事は、一見いい事のようだが、実はそうでもない。脳の中で勝手に考えたものが形になるだけでは、決してこちらの想定を超える事がないからである。それで80点になったとしても、100点になる事はない。残りの20点は、現場でのアクシデントやハプニング、出演者達によって生まれるノリや爆発力、つまりこちらの予想を裏切るような展開の中に潜んでいる。

著者 加地 倫三

1969年生まれ。テレビプロデューサー 大学卒業後、1992年テレビ朝日に入社。スポーツ局に配属後、1996年より編成制作局に異動してバラエティ番組の制作に携わる。 現在、「ロンドンハーツ」「アメトーーク! 」の演出・プロデューサー。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.3 1分
1…バカげた企みほど手間をかける p.12 12分
2…企画は自分の中にしかない p.34 12分
3…会議は短い方がいい p.56 7分
4…勝ち続けるために負けておく p.69 4分
5…文句や悪口にこそヒントがある p.76 4分
6…「イヤな気持ち」は排除する p.83 7分
7…計算だけで100点は取れない p.97 5分
8…マジメと迷走は紙一重 p.106 4分
9…企画書を通すにはコツがある p.114 4分
10…かわいがられた方が絶対にトク p.122 6分
11…仕事は自分から取りに行け p.134 9分
12…常識がないと「面白さ」は作れない p.151 10分
13…芸人は何を企んでいるのか p.170 7分
14…「企み」は仲間と共に p.184 8分
おわりに p.200 3分

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