大手コンサルティング会社から起業・独立した著者が、起業するにあたって大切な考え方を紹介。好きな事で食べていくためには、お金を稼ぐやり方が大事だ説き、10個の収益モデルを解説して、稼ぎ方のポイントをまとめている。
■「何をやるか」ではなく「どうやるか」が大切
自分が好きな事で食べていくためには、次の3つの要素が必要である。
①バリュー:スキルや商品の価値
②システム:稼ぎの土台となる収益モデル
③クレジット:個人や企業の信用
大抵の人は、独立して事業を始める際に「バリュー」が一番大事だと考えるが、システム(稼ぎの土台)を考える事が一番重要である。例えば、カメラマンが独立する場合「いい写真を撮る」だけでは食えない。観光地で写真を撮ってその場で即売する方法もあるが、写真を撮った後に名刺を配り、クレジット払いでウェブからダウンロードしてもらう方法も考えられる。大切なのは「何をやるか」ではなく、「どうやるか」である。どう提供するかにこだわる事が「好き」で「食う」事の最大のコツである。
■起業までの3つのステップ
ある程度の独立を達成するまでには、3つほどのステージがある。
①潜伏時代(2〜5年)
丁稚として社会の中で揉まれる時期が、誰でも必要である。それが、確実にその後の成功の原体験となる。自分のロールモデルとなるであろう人物に、とにかく会いに行って、丁稚奉公するのが正しい就職の仕方である。ひとまずキャリアをスタートさせると、自分のミッションを悟り、心が疼きはじめる。ミッションを人に伝えていく内に、仕事の依頼がポツポツ出てきて、そこに値がつく。
②独立時代(1〜3年)
収入が年間100万円を超えるようになってきた頃、独立するというのがナチュラルで間違いがない。大事なのは、自分がやりたい事よりも「他人の検証」である。お金が入るオファーが来るようになるまでは、独立しない方がいい。独立後の1年くらいは「ご祝儀案件」で食べていけるはずである。
③起業時代(1〜3年)
独立して1〜3年が経って、ここでビジネスモデルが確立してくる。つまり、単なる個人的な仕事ではなくて、「事業」になる。事業とは継続的に価値を生み出すシステムの事である。
事業が拡大する時に押さえたいポイントは次の2つ。
①固定費をできるだけ抑える
②人を雇う時は、事前に別れを意識しておく
■独立後に身に付けるべき3つの考え方
①お金に対する考え方
・投資対効果で考える
・固定費を持たない事に注力
②時間の使い方
・時間の「密度」が重要
・スケジュール管理、タスク管理を徹底し、重要でない事はやらない
③リスクの取り方
・顧客に対する価値を上げる
・ベターを積み上げる
・複数のプロジェクトを同時に遂行する
著者 山口揚平
1975年生まれ。ブルーマーリンパートナーズ代表取締役 1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業。 企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供する。2010年に同事業を売却。 現在は、コンサルティング会社をはじめ、複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演活動を行っている。慶應義塾高校講師。専門は貨幣論・情報化社会論。
マインドマップ的読書感想文 smooth |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
帯 前内閣府政務官 田村 耕太郎 |
週刊 ダイヤモンド 2013年 3/16号 [雑誌] 三省堂書店営業本部課長 鈴木 昌之 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
はじめに | p.3 | 3分 | |
序章 会社を辞めてニートになっても、食べていこう | p.15 | 10分 | |
第1章 「好き」で「食う」には何が必要か | p.35 | 13分 | |
第2章 「食う」ために使える10のプロフィットモデル | p.61 | 32分 | |
第3章 起業までの3つのステップ | p.123 | 12分 | |
第4章 独立後に身につけるべき3つの考え方 | p.147 | 11分 | |
第5章 本当はこれが大切なこと | p.169 | 16分 | |
あとがき | p.200 | 4分 |
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