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2013/02/13更新

ワイドレンズ: 成功できなかったイノベーションの死角

257分

10P

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なぜ多くの革新的な製品やサービスが成功しないのか?

クレイトン・クリステンセンやジェフリー・ムーアなどが推薦しているイノベーション論。革新的な製品やサービスであっても失敗する場合がある。その理由を解説している。

■イノベーションの死角
偉大なイノベーションが失敗する理由は、その企業の優秀さ、顧客ニーズの的確な把握、素晴らしい商品などと関係ない「死角」にある。イノベーションの死角とは、自社が約束した事を実行できるかという以上に、自社のパートナーとなる企業がしっかりと約束を果たせるかどうかにかかっている。

成功は自社の努力だけではなく、自社の周りを取り巻くイノベーション・エコシステム(生態系)を形作るパートナーたちの能力、やる気、可能性にもかかっている。このエコシステムには、2つのリスクがある。

①コーイノベーション・リスク
自身のイノベーションの成功は、他社のイノベーションの成功にかかわっているというリスク

②アダプションチェーン・リスク
エンドユーザーが提供価値全体を評価する前に、エンドユーザーへの価値提供にかかわるパートナーがイノベーションを受け入れるリスク

つながった世界で成功するためには、他社への依存関係をコントロールする事が重要である。イノベーターは自らの視界(レンズ)を広げ、すべての依存関係を見通す事で、エコシステム全体を俯瞰する事が必要である。

超短要約

■素晴らしいイノベーションも自社だけでは成功しない
イノベーションには3つのリスクがある。

①実行リスク
要求された時間内で、仕様を満たすイノベーションを実現できるかどうかのリスク

②コーイノベーション・リスク
自身のイノベーションの商業的成功は他のイノベーションの商業化に依存するリスク

③アダプションチェーン・リスク
パートナーがまずイノベーションを受け入れなければ、顧客が最終提供価値を評価する事すらできないリスク

イノベーション・エコシステムの新しい世界では、自社にイノベーションを実行する能力があるからといって成功するとは限らない。成功するためには、ワイドレンズ(広い視野)を持ち、戦略立案とその実行において、パートナーとの相互依存関係を考慮しなくてはならない。

■ワイドレンズのツールボックス
・価値設計図
すべてのパートナーとその場所を明確にする。その手順は次の通り。

①エンドユーザーをはっきりさせる
②企業自身のプロジェクトをはっきりさせる
③サプライヤー、仲介者、補完者をはっきりさせる
④エコシステムのリスクをはっきりさせる
⑤青信号でないすべてのパートナーのために問題の原因を理解し、実行可能なソリューションをはっきりさせる
⑥定期的に設計図を更新する

・先行者マトリックス
依存関係が重要な世界では、競争に先手を打つ事の利点は、コーイノベーターの準備と製品に直接関連している。どのような状況の下で成功者になるべきかを問うこと。

イノベーターの実行課題×コーイノベーションの課題
①低い×低い=先行者優位は標準レベル
②高い×低い=先行者優位は増大する
③低い×高い=先行者優位は減少する
④高い×高い=先行者優位性はどの問題が最初に解決されるかによる

・エコシステム再構築5つのレバー
価値設計図を出発点として、パートナーとの関係性を見て、次の5つの根本的な質問をする事で、問題のボトルネックを取り除き、新しい構成を見つける。

①何か切り離すことはできるか?
②何か組み合わせることはできるか?
③何か再配置することはできるか?
④何か加えることはできるか?
⑤何か減らすことができるか?

■成功するエコシステムを構築する3原則
エコシステムを巻き込んだイノベーションの世界では、次のアプローチが必要とされる。

①最少限の要素によるエコシステム(MVE)
ユニークで商業的な価値を創造できる最少限の要素を組み合わせる。

②段階的な拡張
すでにあるMVEのシステムから利益を得る事ができる新たな要素を付け加え、価値創造の可能性を増加させる。

③エコシステムの継承と活用
1つのエコシステムの成功要素を活用して、次のエコシステムを構築する。

著者 ロン・アドナー

ダートマス大学エイモス・タックビジネススクール教授 INSEAD(欧州経営大学院)准教授などを経て、2008年より現職。MBA学生から圧倒的な支持を受け、INSEAD(5回)、タック(1回)のベストティーチャー賞を受賞。専門はイノベーションの成功と失敗の原因の研究、多角化、および経営戦略。 Management Scienceの副編集長、Academy of Management Review、Strategic Organization、Strategic Management Journalの編集委員を務める。

この本を推薦しているメディア・人物

帯
ハーバード・ビジネススクール教授 クレイトン・クリステンセン
帯2 帯2
ビジネス思想家 ジム・コリンズ
帯3 帯3
GE会長兼CEO ジェフリー・イメルト
帯4 帯4
マーケティング・コンサルタント ジェフリー・ムーア
日本経済新聞 日本経済新聞
日本総合研究所執行役員 井熊 均

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
第1章 すべて正しいことをしたのに、なぜ失敗するのか p.2 18分
第2章 コーイノベーション・リスク p.24 16分
第3章 アダプション・チェーン・リスク p.44 23分
第4章 エコシステムの全体像づくり p.74 30分
第5章 役割と関係 p.110 21分
第6章 適切な場所、適切なタイミング p.135 19分
第7章 ゲームを変える p.160 26分
第8章 成功のための順序づけ p.192 28分
第9章 成功確率を上げるために p.226 7分

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