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2013/04/15更新

すべては「先送り」でうまくいく ――意思決定とタイミングの科学

405分

3P

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成功の鍵は「待つ」ことにある

直感に頼って判断する事は大切だが、経験などによる事前分析がなければ、最悪の決断となりかねない。エキスパート達に共通するのは、瞬時の判断でも、長期にわたる意思決定でも、そのタイムフレームの中で、意思決定をぎりぎりまで先送りしている点にある。

とかく短期的な判断が求められる現代において、よりよい意思決定をするにはどうすれば良いかを、数々の事例を紹介しながら考察する1冊。


■よりよく生きるために待て
様々な意思決定の場面において、かけるべき時間の長短にかかわらず、どれも似たようなパターンで優れた決定が導かれる事がわかっている。ミリ秒で良い判断を下すためのプロセス(野球の打者が利用する「見るー準備するー打つ」)は、数秒で良い判断を下すためのプロセス(戦闘機パイロットが利用する「観察するー情勢判断するー決断するー行動を起こす」)と似ている。数分、数ヶ月、数年でも、それほど変わりはない。いかなるタイムフレームであっても、優れた意思決定の根幹にあるのは、与えられた時間内で決定を先送りする力だ。

超短要約

■時計を外して、減速を
人間の行動は、その大半が、時計によって計られる時間をベースにしている。こうした時間のアプローチを「クロックタイム」と言う。だが、人間の行動を管理する基準には、もう一つ「イベントタイム」という考え方がある。イベントタイムは、物事をやり終えるまで、あるいは何か出来事が起きるまでを、ひとまとまりと考える。「終わったから」「何かが起きたから」を合図に次の作業に移るのだ。

どちらのアプローチがいいかは目的によって異なる。効率性を重視する場合は、時間割方式を使った「クロックタイム」。実効性を重視する場合は、ToDoリスト方式を使った「イベントタイム」が良い。

現代人は昔より時間的プレッシャーを感じている事が明らかにされている。だが、実際の勤務時間の平均は過去50年間ほぼ一定しており、ここ数年で見ればむしろ減少している。それなのに私達が仕事に時間的プレッシャーを感じてしまうのには、いくつもの理由がある。メールやソーシャルメディア等のテクノロジーの進歩、通勤時間の延び、さらに「自分の1時間という時間にカネが発生している」という認識が、仕事に対する意識にかなり不健全な影響をもたらす。時給制というクロックタイムの考え方には、いわば「中毒性」がある。労働者は、危険な形で、時間とお金をイコールで結ぶようになってしまうのだ。

人はお金を稼げば稼ぐほど、時間に対してプレッシャーを感じてしまう。研究によれば、たとえ労働時間は変わらなかったとしても、収入が増えると時間に対するストレスも増すのだ。その理由は、単純な需要と供給の問題だ。私達は、対象が貴重であればあるほど、希少性も高いと感じる傾向がある。私達は、稼ぎが多くなると、自分の時間は以前より貴重なものになったと感じる。その結果として、自分の時間は希少になったとも感じるのだ。

企業の報酬体系は、短期的なクロックタイムに主眼を置いている。短期的なクロックタイムが私達の仕事を支配し、所得格差が広がった事で、2つの深刻な影響が生じている。

①仕事で満足感を得られない人が増えている
②経営者がだんだんと速いペースで思考・行動せざるを得ず、企業の長期的な利益が損なわれかねない

その場その場の満足と、リアルタイムの情報アクセスに慣れた働き方をしていると、大きな成果が速やかに出る事ばかりを期待して、成果や成長を待てなくなる。時計を外して、未来について考えよう。

著者 フランク・パートノイ

サンディエゴ大学ジョージ・E・パレット 教授 サンディエゴ大学ジョージ・E・パレット教授職の法および金融学教授、同大学センター・フォー・コーポレート・セキュリティーズ・ローの創設者。 イエール・ロースクールを卒業し、モルガン・スタンレーで投資銀行業務に携わり、法人顧問弁護士を経て、現在では市場規制の専門家として世界的な第一人者。 『フィナンシャル・タイムズ』、『ニューヨーク・タイムズ』、ナショナル・パブリック・ラジオ、CBSの「60ミニッツ」などにコメンテーターとして数多く寄稿・出演している。

この本を推薦しているメディア・人物

帯
作家 ダニエル・ピンク
404 Blog Not Found 404 Blog Not Found
小飼 弾

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
第1章 人は「先送り」で進化した ──心に備わる遅らせる仕組み p.1 18分
第2章 一流のアスリートはみんな先送りのプロフェッショナル ――極限の状況で使える時間を拡張する3つのステップ p.21 16分
第3章 「先送り」は利益を生む ──高頻度取引の世界で起こった「変な事態」 p.39 18分
第4章 この世は急かすものばかり ──サブリミナル・メッセージが怖い本当の理由 p.59 14分
第5章 直感が導く最悪の決断 ──意思決定はこうしてゆがむ p.75 21分
第6章 専門家であればあるほどかかる病「シン・スライシング」 ――無意識に流されないための「一時停止」のパワー p.99 23分
第7章 パニックを制するものは、会話と決断を制す ――タイミングをつかむための「間」と沈黙の使い方 p.125 16分
第8章 恋も戦闘も「見た目」でダマされるな! ──タイミングを武器にするための「待つ技術」 p.143 14分
第9章 いつカラスを食らうべきか? ──ちょうどよいタイミングの謝罪とは p.159 18分
第10章 ジョージ・アカロフが抱えた「スティグリッツの箱」 ──よい先送りと悪い先送りを見分ける方法とは? p.179 28分
第11章 最高の投資戦略は、何もしないこと? ──ギリギリまで待つこと、すべてはそれから p.211 26分
第12章 時計を外して、減速を ──時間に縛られずに意思決定するために p.241 14分
第13章 イノベーションは一瞬のひらめきだけでは生まれない ──アイデアは待つほどに磨かれる p.257 23分
第14章 急がば回れ ──人生と社会をよりゆたかにするために p.283 16分

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