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2013/04/22更新

ジャッジメントコール――決断をめぐる12の物語

360分

3P

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組織がより良い意思決定を行うには何が必要か

組織がより良い意思決定を行うためには、組織の衆知を生かす事が必要だと指摘。組織が良い決断を行った12の事例を紹介しながら、これからの組織のあり方を示しています。


■カリスマ説は捨てよ
素晴らしい結果が生まれるのは、たった1人の人間の功績によるものではない。最高のリーダーでさえ、悪い決断を下す事がある。「偉大な組織」では重要な決定にかかわる人々の数を増やす。なぜなら、個々の人間は誤りを犯しやすいが、通常、人々は集団になると、個々の場合よりも有能になる事を知っているからだ。そうした組織は、従業員の広範な専門的知識や技術を引き出し、彼らの意見を求める。直感を使う代わりに、熟考を重ねて問題を解決し、よりよい答えに辿り着く。さらに決定に際してはデータと分析を使う。

偉大な組織は、複数の選択肢を調査し、反対意見に耳を傾け、決定に際してはただ誰かを支持するのではなく探求する文化を伸ばす、といった堅実な意思決定プロセスを使う。そういう組織では、少なくとも「ボスはあの人だから従うしかない」という答えを押しつける意味でのカリスマは必要とされず、また望まれもしない。

偉大なリーダーの役割は重要な問題を1人で決める事ではない。むしろ、組織全体で正しい事が行われるようになれば、より良い答えが引き出せる。

超短要約

■優れたリーダーでも間違った決断を下す
豊富なデータと分析の時代といわれる現代でも、多くの決定において、人々は正しい判断を下すために、これまで蓄積してきた知恵を生かす事を余儀なくされる。社会や組織はこれまでにないほど急速に変化しているので、これまで以上に頻繁にジャッジメントコール(組織としての重大な決断)を迫られる。問題は、どうしたら確実に正しいコールをできるようにするかだ。自分の組織の人々の利益を真っ先に考えてくれそうな聡明なリーダーを選び、その知恵を信じるだけで十分だろうか。

人間の判断というものは、どのような人が下したにせよ、脆く、束縛されている。最も偉大なリーダー達でさえ、自身のエゴから逃れる事ができない。すべての人間は、一般的な意思決定の罠または認知バイアスに陥るといわれている。

■組織的判断のための基礎
優れた組織は、以下のような共通するマネジメント体制を持っている。

①参加型の問題解決プロセスとしての意思決定
判断力の高い組織が重要な決定をする時には、わずか数名の経営陣だけでなく、もっと広い人材グループを参加させる。そうした組織は反対意見も含めていろいろな角度からの意見を求め、ヒエラルキーや地位に関係なく、最高の知識と経験を持つ人々を関与させようとする。

②新しい技術と分析の機会
テクノロジーはもはや一部の人達だけのものではなくなり、どのような業種でも、意思決定と組織によって下される総合的な判断に不可欠なものとなりつつある。

③文化のパワー
優れた判断をする組織では、必然的に、重要な特性や価値観がその経営文化の中に根付いている。

④正しい事を行い、正しい状況をつくりあげるリーダー
組織的な判断を生み出すにあたってリーダーが最初になすべき事は、決定を自分ひとりで行わないようにする事である。

著者 トーマス・H・ダベンポート

1954年生まれ。バブソン大学情報技術・経営学 教授 国際分析研究所の研究ディレクター、デロイト・アナリティックスのシニアアドバイザー、ハーバード・ビジネススクールの客員教授などを務める。

著者 ブルック・マンビル

マッキンゼーのパートナーなどを経てコンサルティング会社を設立。知識マネジメントの分野などで活躍。

この本を推薦しているメディア・人物

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週刊 東洋経済 2013年 5/25号 [雑誌] 週刊 東洋経済 2013年 5/25号 [雑誌]

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに 偉大な人物がよい決定を下すとは限らない p.11 22分
第1章 NASA STS-119 打ち上げを許可するべきか p.44 16分
第2章 WGBホームズ この住宅を売るにはどうしたらいいか p.66 12分
第3章 マッキンゼー・アンド・カンパニー 新しいリクルート戦略をとるべきか p.82 21分
第4章 パートナーズ・ヘルスケアシステム この患者をどう治療すべきか p.114 20分
第5章 コグニザント オフショア企業はいかにして知識を共有するか p.142 19分
第6章 シャーロット-メクレンバーグ・スクールズ 生徒の学力をいかにして向上させるか p.168 15分
第7章 古代アテナイの人々 国の存亡にかかわる侵略から市民を守れるか p.192 19分
第8章 メイベル・ユーとバンガード・グループ サブプライムローン債券を投資家に推奨するべきか p.218 20分
第9章 EMC 不況の時代にいかにしてコストを削減するか p.246 24分
第10章 メディアゼネラル 新しい戦略のために会社の再編成が必要か p.282 26分
第11章 ウォレス財団 社会に本当の変化をいかにしてもたらすか p.318 19分
第12章 ツイーザーマン 本気でホームランを狙うべきか p.344 17分
おわりに p.368 9分

この本に影響を与えている書籍(参考文献、引用等から)

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