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2013/04/26更新

経営センスの論理 (新潮新書)

  • 楠木 建
  • 発刊:2013年4月
  • 総ページ数:235P

172分

9P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な

対象読者:

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戦略ストーリーを理解して本質を見抜く力を身につけよ

『ストーリーとしての競争戦略』の著者が、競争戦略やイノベーション、グローバル化などの裏側にある本質を読み解く。表面的な現象にとらわれず、本質をつかむセンスを身に付けるにはどうすれば良いかを紹介しています。


■スキルだけでは経営できない
昨今のビジネスパーソンには「すぐによく効く新しいスキル」を求めている人がやたらと多い。英会話や財務諸表の読み方であれば、スキルを身につければ何とかなる。しかし、スキルだけでは経営はできない。戦略を創るというのは、スキルだけではどうにもならない仕事だ。優れた戦略を創るために必要なのは「センス」である。

スキルをいくら鍛えても、優れた経営者を育てる事はできない。スーパー担当者になるだけだ。しかし、こうやったらセンスが身に付くという標準的な手法はない。当事者がセンスある人に「育つ」しかない。

経営にできる事は、組織の中で「センスがある人」をきちんと見極め、その人にある商売の単位を丸ごと任せる事だ。こういう事をきちんとやっている会社では、センスが育つ好循環が生まれる。毎日の仕事の中でセンスがある人に触れる事ができれば、センスがあるとはどういう事か周りの人にもその輪郭が見えてくる。

超短要約

■非連続の中の連続
イノベーションは技術進歩とは異なる。既存の価値を連続的に増大させるだけでは、技術進歩ではあってもイノベーションとはいえない。イノベーションは供給よりも需要に関わる現象である。顧客の心と体が動かなければ、イノベーションではない。単なる自己満足に終わってしまう。

航空業界のように技術的に成熟した業界であれば、商売のあらゆる事が連続的にしか進んでいかない。そこにいかに非連続性を組み込むか、ここにイノベーションの焦点がある。だからイノベーションは滅多に生まれない。「次から次へとイノベーションを生み出そう!」という掛け声は、イノベーションの本質を誤解している。

IT業界のように変化が激しい世界では、成熟産業と比べて「機会が豊富」なのは間違いない。しかし、成熟業界とは逆の理由で、イノベーションを起こすのが難しくなる面がある。単純に非連続性を追求するだけでは顧客に受け入れられないからだ。

あらゆるイノベーションは非連続性と連続性の組み合わせでできている。このミックスをどうつくるかがイノベーションの成否の決め手となる。

アマゾンのやった事は、一面では極めて保守的であり、連続性を重視していたといえる。アマゾンがやろうとした事はただの小売業に過ぎない。インターネットのような新しい技術が非連続に生まれたとしても、それを使う人間の方はそれほど非連続には変わらない。人間社会の需要のありようは古今東西わりと連続的だと考えた方が良い。

非連続的な価値を創造するためには、使用する顧客の側での連続性を取り込む事が鍵になる。このイノベーションの逆説的な本質を考えてみると、イノベーションが狙うべきは「いまそこにある」ニーズでなければならない。

著者 楠木 建

1964年生まれ。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)教授 一橋大学商学部助教授、同大イノベーション研究センター助教授などを経て、2010年より現職。専門は競争戦略。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.3 1分
第1章 「経営者」の論理 p.9 16分
第2章 「戦略」の論理 p.37 39分
第3章 「グローバル化」の論理 p.104 22分
第4章 「日本」の論理 p.142 21分
第5章 「よい会社」の論理 p.178 19分
第6章 「思考」の論理 p.211 15分

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Nobumasa Hatakenaka

推薦ポイント9
2013-11-12