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物流業界の人は必見? 物流センターの現場マネジメントのやり方

16年連続増収増益の物流会社では、どのような経営が行われているのか。現場改善の知恵を社員全員で出すために導入された「社員勉強会」のやり取りから、物流会社の運営ノウハウが見えてくる1冊。


■ハマキョウレックスとは
トラック1台で創業したハマキョウレックスは、物流センター運営の事業で成長して、物流業界の高収益企業に数えられるようになった。スーパーマーケットやアパレル、食品などの有力企業から物流センターの運営を引き受けている。

2012年3月に連結売上高899億円、営業利益65億円になり、株式上場時の1997年と比べると売上高は11倍に増えている。利益率が高いのは、現場を支えている社員やパートさんがみんなでムダをなくす方法を考え、実行してくれるからだ。現場の改善能力がハマキョウレックスの収益力を支えている。

超短要約

物流業というのは、実際の原価がいくらかという事がわかる前に、お客さんと契約して仕事の料金を先に決めてしまう。ところが作業をしていると、コストアップ要因になる問題がいろいろ起きる。しかも毎日の物量は一定ではなく、大きな波動がある。

それで原価がわからないまま、1ヶ月経ってから数字を締めて「赤字だった」と慌てるようでは、どう悪くて赤字になったのかが全然わからない。だから毎日、収支を見る。そして「あそこが悪かったのか?」と考えて、問題を見つける。

1日単位で「勝ち」「負け」をつけていく。コストを制して、日々黒字を目指すのがハマキョウレックスの大原則だ。

日々収支は、やれば必ず役に立つ。しかし、パソコンに数字を入れて、それを眺めているだけでは、業績が良くなる方法は見つからない。大事なのは、数字の裏側に隠れている問題を見つけて、すぐに手を打つ事だ。数字を見ているだけでは、現場で働く人達の本音がわからない。人の気持ちがわからなければ、問題点を見つける事はできても、改善する事はできない。現場を支えるパートさんや後輩社員の中に入って、一緒に汗を流して、本当に改善すべきところを見つける。

現場の仕事は忙しいので、日常業務に追われて、大事な事を忘れてしまう恐れもある。だから社員勉強会を続けている。そして、現場の知恵を集めるために、3つのキーワードを徹底して意識してもらっている。

・全員参加
・日々収支
・コミュニケーション

全員参加で同じ目標に向かって進む。その達成方法の答えを見つけるために、日々収支を確認する。そして、みんなに納得してもらえるようにコミュニケーションをしていく。それを繰り返し徹底する事によって、現場改善能力を高めていく。

著者 大須賀正孝

1941年生まれ。ハマキョウレックス代表取締役会長 中学校卒業で働き始め、職を転々とした後、1971年浜松協同運送(現・ハマキョウレックス)を設立。トラック1台からスタートして、2年でトラック20台近い運送会社に成長したが、石油ショックで大口取引先が倒産し、経営危機に陥る。これを機に、毎日、収支をもれなく把握する「日々収支」を開始し、コスト管理を徹底。 1993年に大手スーパーの物流センター業務を受注し、サードパーティーロジスティクス(3PL)事業に乗り出す。現場のパートさんが交代で班長を務める「日替わり班長制度」、物量に応じてパートさんの人員を調整する「アコーディオン方式」などの手法を編み出し、収益力を強化。2001年に東証2部、2003年に東証1部に上場。2007年から代表取締役会長。

著者 ハマキョウレックス社員勉強会

静岡県浜松市に本社がある物流会社ハマキョウレックスで行われている社員勉強会。

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帯
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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.1 4分
社員勉強会のルール p.22 3分
第1章「日々収支」毎日の収支を「勝ち」「負け」で追いかける p.29 29分
第2章「全員参加」知恵を集めるために知恵を使う p.83 29分
第3章「コミュニケーション」聞くことから始める p.137 15分
第4章「チームワーク」本社部門でも現場力を磨く p.165 8分
第5章「社員勉強会のまとめ」どこに行っても通用する自分の財産にする p.179 4分
おわりに p.186 3分

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