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2013/07/05更新

プロフェッショナルサービスマン ― 世界に通じる「汗と涙のホスピタリティ」

167分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
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ベンツを日本一売る男

販売職はサービス業だ。普通、サービス業のプロフェッショナルが持っている技術とはコミュニケーション能力と洞察力である。相手の話を聞き、聞いた中からニーズを探る。ところが、飛び込み営業は相手の話を聞くために想像を絶する努力をする。もっとも孤独に強い人間だけが売る事ができる。

「少しでも客の近くへ出かけていけ」が彼の教えである。自分がつかんだお客さんはなかなか離れていかない。何度も買ってもらえる。河野は部下に7つの教訓を授けている。

①自分がしゃべるのではなく、客から教えてもらうこと
②約束を絶対に守る
③客の私生活に立ち入らない
④客の発した言葉だけでなく、表情に出たサインを察知する
⑤客に対して「この人、嫌だな」とは思わない
⑥自分を甘やかさない
⑦負けず嫌いの精神を持つ

河野がベンツを売った力の源泉は経験だ。その経験を形作ったのは間違いなく、飛び込み営業である。断られ、水をかけられ、物を投げられと徹底的に拒否された経験が彼をつくった。セールスとは何か、人間とは何かを考えて、車を売ってきたのである。

スーパーオーケーのサービスの本質

スーパーオーケーは主に食品を専門とするディスカウントスーパーで、65店舗を展開している。おにぎり50円、のり弁当198円。オーケーの価格は他店より4割引き以上もの低価格である。オーケーの経営戦略は簡単にまとめれば顧客第一と薄利多売の2つだ。

オーケー社長の飯田勧は創業から28年がたったある日、売り場を見て愕然とした。1個100円のチョコレートが「特売商品98円」と書いてあった。そんなもの、お客さんは嬉しくもなんともない。

飯田は目を覚まし、「高品質、お買い得」という方針をはっきりさせた。彼はオーケーが売る商品は品質を確かめるために、バイヤーが実際に食べてみたり、使ってみたものにする事にした。

次は「お買い得」の実現である。商品を安くするには経費を下げるしかないが、簡単ではない。結局、売上を伸ばすしかない。他の会社よりも利益率を減らして商品を安く売る。しかも、他が追随できないくらい安くして売る。

まず、第二位のメーカーと長期契約し、大量の商品を購入する事で値段を下げた。さらに、弁当や納豆など取引工場が暇な時期を見越して注文を出し、納品価格を下げてもらった。

オーケーの常連客は置いてあるものはどこの店よりも安いとわかっているから、値段を見ずに買っている。店を信頼し、安心しきって買い物をしている。小売店におけるサービスとは頭を下げたり、丁寧な接客をする事だけではない。客を安心させる事がサービスの目的だ。