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2013/06/25更新

成功を決める「順序」の経営 ―勝つためには戦略の順番を間違えるな (日経ビジネス経営教室)

43分

1P

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マクドナルドの経営戦略

売上不振にあったマクドナルドをV字回復させた原田CEOの経営論。「100円メニュー」「クォーターパウンダー」「マックカフェ」など、様々な経営戦略の根本的な考え方がわかります。


■「らしさ」から逸脱するな
企業というのは「らしさ」を忘れて不振に陥り、「らしさ」を取り戻して復活する。当時、日本でマクドナルドが苦戦していた理由は「健康志向が台頭したこと」でも「ハンバーガーに対して消費者が飽きたこと」でもない。「マクドナルドらしさを失ったこと」にあった。

「らしさ」から逸脱する取り組みをすべきではない。例えば「消費者に健康志向が高まっている」と聞けば、サラダだ、オーガニックだ、低カロリーだとやる。でもそれらは「マクドナルドらしさ」からは逸脱している。

「マクドナルドらしさ」とは何か。それは、アメリカンテイストのボリューム感あるハンバーガーの味や、機能的で清潔な店舗、スピーディーかつ温かなサービスにある。その根底にあるのがQSC(品質、サービス、清潔さ)だ。就任当時、社員に対して「まずQSCの向上のみに専念しろ」と言った。

超短要約

■マーケティングの要諦
できない理由をデータで証明するのは簡単だ。先入観を捨てて、現場に足を運ぶ。そこで商売の「におい」を嗅ぎ取る。そのにおいを基に、新しい価値を生み出す方法を考え抜いて、「これだ」というものが出来上がったら、あとは信じる。データは、その成否を検証するためにあるものだ。

少子高齢化とか健康志向とか言われる時に、あえてボリューム満点のハンバーガーをぶつける。その理由は単純な話で「驚かせたかった」ということ。消費者の心を引くために大事なのは、いい意味でお客さんの期待を裏切ることである。

しかし、「驚かせる」ような新商品を出し、爆発的にヒットさせても、それだけでは儲からない。消費者の認知を集めるためには、大きなプロモーションコストがかかるからだ。

では、なぜ奇抜な新商品を出し続けるのか。それは、その集客力でキャッシュカウを育み続けるためである。キャッシュカウとは、広告宣伝にコストをかけなくても、安定して売れ続ける営業利益率の高い商品のこと。マクドナルドでは、ビッグマックがそれに当たる。

新デザイン店舗の出店、ドライブスルーの拡充、コーヒーの無料配布、様々な手を打ち続けているが、いずれも「ビッグマックを買ってもらうため」と言うこともできる。

新たに獲得した顧客をどう維持し、その顧客満足からどう利益を生んでいくかを考える。したがって、メニューや価格などの商品政策は、ポートフォリオで考える必要がある。「驚かせる」ことで新たな顧客を誘引する商品もあれば、マーケティングコストゼロで利益を生むキャッシュカウもある。この組み合わせの結果、メニュー全体で利益を出す構造を目指す。

著者 原田 泳幸

1948年生まれ。1997年にはアップルコンピュータ日本法人の社長兼米国本社副社長にまで上り詰めたが、全くの畑違いに思われるマクドナルド(日本マクドナルドホールディングス)の社長兼CEO(最高経営責任者)に身を転じた。

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土井 英司

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
プロローグ 希望を乗せた「赤いバス」 p.2 5分
1時間目 「らしさ」の競争力 数字の羅列には「意味」がある p.27 6分
2時間目 戦略シーケンス 勝つための「順序」を考えよ p.53 7分
3時間目 マーケティングの要諦 顧客は驚きたがっている p.83 6分
4時間目 組織とリーダー 情熱には冷静を、冷静には情熱を p.107 2分
解説 マック再生は「戦略ストーリー」の傑作 p.118 7分

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