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2013/10/13更新

世界がもし100億人になったなら

32分

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私達は100億人を食べさせられる手段を持っていない

現在の農業のやり方と消費のペースで、100億人を食べさせられる手段はない。21世紀の終わりに訪れる危機に警告を発しています。


■今の私達の置かれた状況
わずか1万年前、地球の人口は100万人しかいなかった。1800年には、それが10億人になり、1960年には30億人、現在は70億人以上の人口がいる。2050年には、少なくとも90億人の人々が暮らしているだろう。

人口増加の主な原因の1つは、農業の発明にあった。私達は狩猟採集の生活から、極めて体系的に食料を生産できるようになった。農業革命には4つあった。

約13000年前「動物の家畜化」→13世紀「農作物の品種改良」→15世紀「食料生産の機械化」→1950年代「緑の革命(化学肥料の使用)」

一方で、これにより私達は大きな問題を抱える事になった。「石炭・石油・ガスへの依存」「生態系の破壊」「消費の拡大」「水不足」「地球温暖化」。人口が増えるほど、水と食料への需要が増える。食料への需要が増えると、より多くの土地が必要になって、森林伐採が進む。食料の生産と輸送も増加し、エネルギーへの需要を増加させる。それが二酸化炭素とメタンの排出を増加させ、気候変動が一段と加速する。

気候変動が加速すると、水と食料と土地にかかる負荷が増す。同時に、人口の増加によっても、水と食料と土地への負荷が増す。

超短要約

いまや、地球上には70億人を超える人間がいる。そして、人口が増え続けるとともに、私達に必要な水、食べ物、土地、輸送、エネルギーも増え続けている。その結果、私達が気候を変えるペースは加速している。

気候変動が加速すると、水と食料と土地にかかる負荷が増す。同時に、人口の増加によっても、水と食料と土地への負荷が増す。要するに、人口が増え、さらに経済成長が進むと、地球のシステム全体への負荷が急激に増すのである。

世界の食料生産のシステム全体は、安定した気候に決定的に依存している。ところが、今現在の気候は安定しているとは言えない。すでに予兆はあらわれている。異常気象と記録的な熱波による、2008年のオーストラリアの干ばつ、2010年のロシアと東欧の干ばつ、2012年のアメリカの干ばつの結果、全世界の穀物とトウモロコシの収穫量の2割から4割が失われた。

さらには、現在10億人以上の人々が、深刻な水不足の状況のもとで暮らしている。その一方で、私達の水の消費は急激に増えている。地球上で手に入る真水の実に70%が、農業用の灌漑に使用されている。この水の多くは、補充される量をはるかに上回るペースで消費されている。

私達が今まさに直面しつつある気候問題は、地球の気候が複数の重大な「ティッピング・ポイント」に向かいつつあるのではないかというものである。それは、世界の平均気温が2℃を超えて上昇する事である。2℃を超えて気温が上昇すれば、壊滅的な気候変動が起こり、グリーンランドの棚氷が溶けたり、北極圏の凍土から凍ったメタンが気化して放出されたり、アマゾンの熱帯雨林が枯れるといった、とりかえしのつかない地球規模の「ティッピング・ポイント」に至る事がほぼ確実だろうというものである。

現時点で、世界の平均気温は4℃ほど上昇する可能性が極めて高く、場合によっては6℃上昇する可能性も捨て切れない。そうなると制御不能の気候変動が起こり、地球が地獄と化すだろう。

それでは、私達はどうすればいいのか。考えられる方法は2つ。1つ科学技術の力で乗り切ること。もう1つは、私達の行動を根本から変えることである。しかし、現在の証拠をもとにする限り、科学技術の力で切り抜けられる見込みは低い。私達の行動を変える、すなわち、直ちに消費を減らす必要があるが、これも無理だろう。

私達はもうダメだと思う。

著者 スティーブン・エモット

マイクロソフト・リサーチ計算科学研究所所長 オックスフォード大学計算科学客員教授、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ計算生物学客員教授、英国国立科学・技術・芸術基金栄誉フェロー。 英ケンブリッジで様々な分野の研究者からなる学際的チームを率いて幅広い科学研究を指揮し、科学の基本問題に取り組む先駆的アプローチを開発している。 研究所の研究分野は、分子生物学、免疫学、神経科学、植物学、気候学、生物地球科学、陸上・海洋生態学、保全生物学から、新分野である人工生命プログラミングや人工光合成まで多岐にわたる。

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