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2013/12/19更新

魂の経営

160分

10P

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富士フイルムが生き残れた理由

写真フイルム市場が10分の1に縮小するという「本業消失」の危機を乗り越え、事業転換を成功させた富士フイルムCEOの経営論。

コダックが破綻した一方で、なぜ、富士フイルムは生き残ることができたのか。


■本業消失の危機
2000年、富士フイルムの主力事業だったカラーフィルムなどの写真感光材料の売上がピークを迎えた。その翌年、コダック社の売上を追い越した。日本でのシェアは約7割と圧倒していた。しかし、ビジネスの世界では、絶頂の時にこそ危機が忍び寄って来るものだ。その少し前からカメラの世界では、デジタルカメラが急激な普及を見せ始めていた。

写真フィルム市場は、その後、2000年をピークに縮小し始め、徐々に加速し、遂には年率20〜30%の勢いで激烈に収縮していった。10年後には、世界の総需要はかつての1/10以下にまで落ち込んだ。

超短要約

■コダックと富士フイルムを分けたもの
富士フイルムの2013年3月期の売上高は、2兆2147億円であった。会社は本業消失という危機を乗り越え、新たな成長路線を進み始めている。一方で、その前年、写真フィルムの世界で富士フイルムの十数倍もの売上を誇ったコダックが、経営破綻した。

コダックとの違いはどこにあったのか?

まず1つは、コダックは長きにわたり写真フィルムの世界でリーディングカンパニーとして君臨してきた事が足枷になってしまった可能性があるという事だ。この事が多角化への対応を遅らせてしまった。その点、富士フイルムは、コダックを追うチャレンジャーだったので、積極的に多角化を進めてきていた。

もう1つ、富士フイルムがコダックと違ったのは、デジタル化への向き合い方である。富士フイルムがデジタル製品の開発にいち早く、より深く、取り組んでいた意味は極めて大きかった。2000年以降の写真フィルム市場の縮小局面において、一方で拡大していたデジタルカメラ市場で他社に先行し、売上を維持できた事は、写真フィルム事業の収益の下落をある程度カバーしただけでなく、デジタル化の波を乗り切るための技術やノウハウを蓄積するという側面からも、大きな意味を持っていた。

一方でコダックは、デジタルカメラ事業を自社で持たず、OEMで他社から供給を受けていた。この事はデジタル化時代に対応するスタートダッシュで、大きな遅れとなった。

著者 古森 重隆

1939年生まれ。富士フイルムホールディングス代表取締役会長・CEO 大学卒業後、富士写真フイルム(現富士フイルムホールディングス)に入社。主に印刷材料や記録メディアなどの部門を歩む。1996年~2000年富士フイルムヨーロッパ社長。2000年代表取締役社長、2003年代表取締役社長兼CEOに就任。 デジタル化の進展に対し、経営改革を断行し事業構造を大転換。液晶ディスプレイ材料や医療機器などの成長分野に注力し、業績をV字回復させた。2012年から代表取締役会長兼CEO。 公益財団法人日独協会会長。日蘭協会会長。2007年~2008年NHK経営委員会委員長。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.1 3分
第1章 本業消失―富士フイルムに何が起こったのか? p.13 16分
第2章 第二の創業―富士フイルムの挑戦と改革の全貌 p.41 39分
第3章 有事に際して経営者がやるべきこと―「読む」「構想する」「伝える」「実行する」 p.109 20分
第4章 すべては戦いであり負けてはならない―世の中のルールと勝ち残るための力 p.143 15分
第5章 会社を思う気持ちが強い人は伸びる―仕事で成果を出し、成長を続けるための働き方 p.169 13分
第6章 グローバル時代における日本の進路―国と企業の強みと可能性について p.191 16分
おわりに p.218 3分

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