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2013/12/24更新

三ツ星で学んだ仕事に役立つおもてなし

  • 黒岩功
  • 発刊:2013年11月
  • 総ページ数:248P

107分

2P

  • 古典的
  • トレンドの
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  • すぐ使える
  • 学術系
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厳選に厳選を重ねる

三ツ星基準はフランス語の「qualite' prix(カリテプリ)」に集約される。お金以上の価値、お金以上に大切なものという意味である。三ツ星レストランに行けば、決して安くはないお金を支払うが、必ずそれ以上に満たされるからこそ、予約困難と言われるほど世界中からお客様がやってくる。

世界で数十軒しかない三ツ星の中でも、タイユヴァンは30年以上も三ツ星を維持し続けている、名門中の名門のレストランである。三ツ星レストランは、スタッフも一流揃いで食材も厳選されたものしか使用しない。それだけではなく揺るぎないコンセプトはもちろん、度数に対するサービスなど、あらゆるものの基準が細かく計算し尽くされている。

お客様に提供される料理も、最高の中の最高を目指すので、当然、原価も高くなる。「食材は無駄にするのではなく、上質の部分のみを使う」という考えで、ニンジン1本にしても皮は5mm厚でむき、芯の部分は使用しないなど細かい決まり事がある。そして、スタッフ間では、事あるごとに「Maximum?(最高か?)」という言葉が飛び交う。「焼き加減は? ソースの味付けは? 盛りつけは?」一皿に対して、あらゆる要素が最高レベルで仕上がっているかが厳しく精査される。

最高の一皿は1人で完成しない

最高の料理を提供するためには、どれだけいい食材があってもどれだけ腕のいい料理人がいてもダメである。調理場がいかに最高の状態でまとめ上げられるか。チームワークとリーダーシップがなければ、最高の料理は提供できない。一般に三ツ星のフランス料理店では、孤高のシェフが最高の食材を使って腕を振るっているというイメージがあるかもしれないが、実はそれぞれの持ち場で最高の技術を発揮する料理人がおり、それをまとめあげる指揮者がおり、さらにはサービスの責任者も揃って、はじめて「最高の一皿」が完成する。スタッフ全員が自分たちは選ばれた三ツ星の世界で、世界一の料理をつくり、サービスしているというモチベーションを、リーダーがスタッフに持たせている。

一流の考え方に触れる事で成功の循環を生み出す

三ツ星の基準で働くのは大変である。だから、仕事から生きる喜びまで感謝できるよう、いつも自分に問わないと主体性を持って働けない。常に一流の考え、振る舞いに触れる事で、自然と自分の基準が高くなる。そして高い基準を持つ自分が求める結果を出そうと努力する。それが良い仕事につながり、人に喜ばれると、より上質を提供したいと思える。

「お金を得られるから、それ以上の対価を提供する」ではなく「損得抜きに真心を込めて尽くす」のが、真のおもてなしである。献身的な修行の精神は、困難をプラスに解釈し、しなやかな強さを生み出す。そこに内在する真心は、おもてなしの精神につながっていく。