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2014/04/30更新

乱読のセレンディピティ

126分

5P

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  • すぐ使える
  • 学術系
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  • ひらめきを助ける
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思いがけない事を発見するための読書術

「知の巨匠」と称される著者が、思いがけない事を発見するための読書術を紹介しています。情報が溢れる時代には、本は乱読で良いと説く。


■本は買って読むべきである
もらった本はありがたくない。ためになる事が少ない。反発する事が多い。どこの誰が書いたかはっきりしない本から著者自身も考えていなかったような啓示を受ける事がある。本は身銭を切って買うべし。そういう本から思いがけないものを恵まれる。

この頃は図書館が整備されているから、買わなくても借り出して読む事ができる。しかし、タダほど高いものはない。自分の目で選んで、自分の金で買ってきた本は、自分にとって、タダで借り出してきた本より、ずっと重い意味を持っている。本を選ぶのが、意外に大きな意味を持っている。人からもらった本がダメなのは、その選択ができないからであり、図書館の本を読むのが面白くないのも、いくらか他力本願的なところがあるからである。溢れるほどの本から何を求めて読むか。それを決めるのが大変な知的活動になる。

超短要約

■乱読のセレンディピティ
本を読む時、2つの読み方がある。1つは本に書いてある事をなるべく正しく理解する読み方で、普通の読書はこれによっている。人の書いたものを正しく理解できるものかどうか、考えると厄介な事になる。100%わかったつもりの本も、実は本当にわかっているのは、70、80%。残りの不明な部分は「解釈」によって自分で補填しているのである。従って、本を正しく読んだという場合でも必ず、自分の働きで補充した部分があるはずで、全く解釈の余地のないものは、1ページも読む事はできない。

それに対して、乱読の本では、よくわからないところが多い。本の内容がそのまま物理的に頭の中へ入るという事はまずない。わからないから、途中で放り出すかもしれないが、不思議な事に読み捨てた本はいつまでも心に残る。感心して読んだ本なのに、読んだ事も忘れてしまう事が少なくない。

こういう乱読本は読むものに、化学的影響を与える。全体としては面白くなくても、部分的に化学反応を起こして熱くなる。発見のチャンスがある。専門の本をいくら読んでも、知識は増すけれども、心を揺さぶられるような感動はまずないと言って良い。それに対して、何気なく読んだ本に強く動かされるという事もある。学校で勉強する教科書に感心したという事は少ないが、隠れ読みした本から忘れられない感銘を受ける事はありうる。

人間は少し天の邪鬼にできている。一生懸命である事より、軽い気持ちでする事の方が、うまく行く事がある。何より面白い。この面白さというのが化学的反応である。化学的な事は、失敗が多い。しかし、その失敗の中に新しい事がひそんでいる事があって、それがセレンディピティにつながる事がある。

一般に乱読はよくないとされる。しかし、乱読でなくては起こらないセレンディピティがある事を認めるのは新しい思考と言っていい。

著者 外山 滋比古

1923年生まれ。お茶の水女子大学名誉教授 雑誌『英語青年』編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授を経て、現在に至る。文学博士。英文学のみならず、思考、日本語論などさまざまな分野で創造的な仕事を続け、その存在は、「知の巨匠」と称される。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
1 本はやらない p.7 7分
2 悪書が良書を駆逐する? p.21 7分
3 読書百遍神話 p.35 6分
4 読むべし、読まれるべからず p.47 6分
5 風のごとく… p.59 5分
6 乱読の意義 p.69 6分
7 セレンディピティ p.81 6分
8 『修辞的残像』まで p.93 6分
9 読者の存在 p.105 7分
10 エディターシップ p.119 5分
11 母国語発見 p.129 6分
12 古典の誕生 p.141 6分
13 乱談の活力 p.153 7分
14 忘却の美学 p.167 7分
15 散歩開眼 p.181 5分
16 朝の思想 p.191 6分
あとがき p.204 1分

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