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2014/08/11更新

30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由

193分

5P

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起業

エスグラントコーポレーションを起業したのは2001年12月。9.11の事件をテレビの画面で見て、一度きりの人生、後悔だけはしたくない。はっきりと独立を考えるきっかけになった。

エスグラントは、ワンルームマンションの販売代理業務からスタートした。会社はスタートを切ったものの、お世話になった会社から多数の社員を引き抜いた事もあり、業界団体からの誹謗中傷、妨害が凄まじかった。創業当初は、いきなり倒産寸前まで追い込まれた。2002年の夏、どん底の資金繰りに奔走し、社員への給料さえ滞り始めた状況の中、社員を集めて提案した。「これからは本気で仕事をやって、絶対に会社を立ち直らせたいと思っている。ただ、この状態の会社に残ってくれとは言えない。でも、残ってくれる社員は、エスグラントにすべて捧げて欲しい」

辞めていく社員はほとんどいなかった。これ以降、社員が一丸となる事で業績はV字を描くように回復し、上場という夢に向かって伸びていく事ができた。2005年12月12日、業界最短の創業48ヶ月、最年少28歳で、エスグラントコーポレーションは、上場を果たした。

絶頂

上場し、状況は様変わりした。大手企業役員OBが監査役会に名を連ねるようになった。運転手が付き、秘書が付き、経済誌や業界紙の取材などでスケジュールが次々に埋まっていった。28歳で5億円のキャッシュと80億円近い株式資産、そして上場会社社長という社会的な地位も手に入れた。

上場を果たしてからも、投資用ワンルームマンションの開発と販売は好調で、付随する事業も次第に広がっていく。エスグラントの業績は右肩上がりで伸びていき、個人の年収も29歳にして3億円を超えた。

地獄

エスグラントの業績を一気に大きくしたのは、不動産ファンド事業だった。ファンドビジネスを始めた事で、最優先事項は「儲けること」になっていた。あらゆる手段で資金を調達して自己資本を増やし、さらにレバレッジを効かせて500億円、1000億円の物件を買っていく計画だった。

明らかに風向きが変わったのは、2007年9月だった。サブプライム問題の影響で、銀行の融資が止まり、物件の新陳代謝が止まった。経営を立て直すには、とにかく手持ちの物件を売却して資金を回すしかない。しかし、不動産価格の値崩れが始まっていて、大きな損が出る。エスグラントの経営はみるみる内にどん底へと転がり落ちた。社長室には催促や返済のリスケジュールの打合せに債権者が押し寄せるようになった。エスグラントにとどめを刺したのは銀行だった。家賃のお金を振込んだ途端に、銀行の口座が凍結されたのである。2009年3月12日、エスグラントコーポレーションは、民事再生法の適用を申請した。