創造性はどこからやってくるのか。天才的アイデアが生まれるプロセスを解説し、それにまつわる様々な迷信を紹介している本です。創造性を発揮するために必要なアプローチを理解することができます。
■創造性の構成モデル
ハーバード・ビジネス・スクール教授、テレサ・アマバイルによれば、創造性は4つの異なる要素の影響を受ける。
①分野に関するスキル
特定分野の知識や技術的スキル、才能
②創造性に関連するプロセス
様々な角度から問題を検証し、複数の分野の知識を組み合せ、これまでと違った対応ができるようにする。
③タスク・モチベーション
目前の課題を解決したいという欲求
④社会的環境
これら4つの要素が、創造的なひらめきが得られるかどうかを左右する。つまり、創造的思考とある程度の専門知識を持った人が、創造性を奨励する環境で心からやる気になった時、創造性のレベルは最も高くなる。イノベーションはこれらの要素が揃い、そこから生まれた創造性が生かされた時に起こる。
創造性がどこからやってくるかを知るためには、以下の点を理解する必要がある。
①クリエイティブ
創造性は与えられるものではなく、適切なプロセスから得られる結果である
②ひらめき
新しいアイデアは一瞬のひらめきではなく、努力から生まれる
③生れつきのクリエイター
創造性は特定のタイプの人に限定されるものではなく、組織の構造によって高められる
④オリジナリティ
新しい創造物は、既存のアイデアの組み合わせである。
⑤エキスパート
画期的な解決策は専門知識だけでなく、思考の多様性から生まれる
⑥インセンティブ
単なる報酬ではなく、意欲的に取り組める環境を推奨する事で創造性は向上する
⑦孤高のクリエイター
創造性には1人の天才ではなく、計画性を持ったチームワークが必要である
⑧ブレーンストーミング
ブレーンストーミングとはアイデアを多く出す事ではなく、広範な戦略の一部である
⑨団結
同調ではなく、仕事を対象とした理性的な「衝突」が創造性を加速させる
⑩制約
制約がある事は障害ではなく、時にはそれ自体が問題解決のための資源となり得る
⑪ネズミ取り
最高のアイデアを生み出す事はゴールではなく、成功へと向かう出発点である
著者 デビット・バーカス
LDRLB 創設者 リーダーシップ、イノベーション、戦略に関する最新研究から得た知見をシェアするための電子出版ウェブサイト、LDRLB (pronounced "leader lab")の創設者兼エディター。 また、オーラル・ロバーツ大学で経営学を教えるかたわら、創造性やイノベーションなどに関するウェブサイトとして人気の『99U』と『The Creativity Post』の常任コラムニストも努める。
帯 作家 ダニエル・ピンク |
帯2 Behance共同創業者兼CEO スコット・ベルスキ |
ビジネスブックマラソン 土井 英司 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
第1章「クリエイティブ」にまつわる迷信 | p.5 | 12分 | |
第2章「ひらめいた」の迷信 | p.29 | 11分 | |
第3章「生まれつきクリエイター」の迷信 | p.51 | 12分 | |
第4章「オリジナリティ」の迷信 | p.75 | 14分 | |
第5章「エキスパート」の迷信 | p.103 | 15分 | |
第6章「インセンティブ」の迷信 | p.133 | 13分 | |
第7章「孤高のクリエイター」の迷信 | p.159 | 16分 | |
第8章「ブレーンストーミング」の迷信 | p.191 | 14分 | |
第9章「団結」の迷信 | p.219 | 14分 | |
第10章「制約」の迷信 | p.247 | 14分 | |
第11章「ネズミ取り」の迷信 | p.275 | 13分 |
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