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2015/01/05更新

ビジネスモデル・エクセレンス ハイアールはなぜ白物家電の王者になれたのか

302分

2P

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ハイアールの経営手法

躍進する中国家電メーカー「ハイアール」は、どのような経営を行ってきたのか。その歴史や経営手法を解説している一冊。


■白物家電市場の黎明期
1980年代初頭の中国では、最新の家電製品はほとんど存在せず、語るほどの白物家電産業というものもなかった。工場は各地に点在し、基本的には地方にあって時代遅れで、地方政府内に置かれた軽工業部門が所有・監督していた。その上、当時は白物家電に対する有効需要がほとんどなかった。製品は品薄で高価、しかも大抵は低品質。当時は国有企業が中国市場を支配していて、外国製の白物家電の販売など考えられなかった。

この頃は、どれだけ状態が悪くても製品は必ず売れる時代だった。品薄が当り前の状況では、製品の価格やデザイン、機能はどれもほとんど差がなかった。

この頃に登場した家電メーカーの1つが、比較的小さな共同所有の冷蔵庫メーカー、青島冷蔵庫だった。1984年、この工場は張瑞敏という若い役人の指揮下に置かれた。この人物は、ドイツのリープヘルから生産ラインを買い取る事に成功した。張が青島冷蔵庫のために描いた最初のビジネスモデルは、製品の品質の高さを基盤に強力で価値のあるブランドを構築すれば、差別化が図れるはずだというものだった。

超短要約

ハイアールを含む世界のトップ企業の多くに2つの特徴が共通しているのは偶然ではない。1つ目は、顧客を喜ばせるような価値提案を生み出し、非常に高い利益をもたらすビジネスモデルと組み合わせていること。2つ目は、絶え間なく改革を続け、価値提案を実行に移す能力を持っている事だ。「普通」の企業と「最高」の企業をはっきりと区別するのが、この2つ目の特徴だ。

これらの企業は「最高」の成果を上げるために、既存の成功モデルを着実に実践し、改善するかたわら、大胆でクリエイティブな未来のビジネスモデルを試せるような、新しい組織の形も模索している。常に改革し続ける事こそが、ハイアールの組織文化だ。

ハイアールは、3つのスキルについて興味深い洞察を与えてくれる。未来のトップ企業と他の企業との違いは、この3つのスキルをマスターできているかどうかにある。

①顧客が本当に求めている素晴らしい価値の提案を考え、構築できる能力
ハイアールはとことんまで顧客を理解できるようにするため、組織を徹底的に再編し続けた。そして、その知識に基づいて行動できるように意思決定の権限を分散させた。

②優れたビジネスモデルを構築する力
ハイアールはビジネスモデルを作り直し、リソースや戦略を調整して、より品質の高い商品を生産した。そうやって高い品質を印象づけるブランド力を身につけ、その過程で採算性も上げていった。

③成功を収めながらも組織を作り直し、しかもそれを何度も繰り返せる能力
ビジネスモデルには必ず賞味期限がある。ハイアールは組織革新を継続的に行う企業風土によって、未来の困難にも立ち向かう備えができている。

著者 ビル・フィッシャー

IMD教授 ノースカロライナ大学チャペルヒル校で20年教鞭をとる。その後1980年に中国へ移り、上海の中欧国際工商学院(CEIBS)で学長を務める。 現在、IMDでDSI (Driving Strategic Innovation) プログラムのディレクターを務めるほか、パナソニック・ヨーロッパをはじめとした企業のイノベーション促進のためのプログラムを提供している。

著者 ファン・リュー

IMD研究員 研究内容は経営イノベーション、マーケティング、グローバルビジネスなど。

著者 ウンベルト・ラーゴ

ボローニャ大学経営学 准教授 大学教授、民間・公的組織経営者、起業家、コンサルタントなどとして活動。欧州サッカー連盟(UEFA)クラブ・ファイナンシャル・コントロール機関の一員でもある。

この本を推薦しているメディア・人物

帯
早稲田大学ビジネススクール准教授 入山 章栄

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.1 3分
第1章 時代に合わせて会社を変える p.13 15分
第2章 戦場 p.34 23分
第3章 ハイアールの歴史と企業文化の変遷 p.67 31分
第4章 才能を解き放つ p.112 26分
第5章 21世紀の企業文化を構築する p.149 32分
第6章 高収益の源泉 p.195 24分
第7章 真のハイブリッド─戦略的に俊敏な組織のつくり方 p.230 31分
第8章 真の破壊者─変化を受け入れ、価値を創造する方法とは p.274 15分
あとがき p.295 4分
付録 p.301 14分

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