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2015/08/20更新

幼児教育の経済学

81分

6P

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幼少教育こそが最も大切である

やる気、忍耐力、協調性といった非認知的スキルが、子供の将来の成功を左右する。こうしたスキルを子供が身につけるのは6歳までであり、幼少教育の大切さを説きながら、国の社会政策のあり方を提言している本。


■成育環境による格差問題
今日のアメリカでは、どんな環境に生まれあわせるかが不平等の主要な原因の1つになっている。アメリカ社会は専門的な技術を持つ人と持たない人とに両極化されており、両者の相違は乳幼児期の体験に根ざしている。恵まれない子供は、技術を持たない人間に成長して、生涯賃金が低く、病気や十代の妊娠や犯罪など個人的・社会的な様々な問題に直面するリスクが非常に高い。

生まれあわせた環境が人生にもたらす強力な影響は、恵まれない家庭に生まれた者にとって悪である。そして、社会全体にとっても悪である。数多くの市民から社会に貢献する可能性を奪っている。

超短要約

適切な社会政策を施せば、技能労働者と単純労働者との両極化を阻止できる。適切な社会政策は最善の科学的証拠によって、情報を与えられなければならず、その教訓は3つ。

①人生で成功するかどうかは認知的スキルだけでは決まらない
非認知的な要素、即ち肉体的・精神的健康や、根気強さ、注意深さ、意欲、自信といった社会的・情動的性質も欠かせない。IQテストや学力検査などによって測定される認知的スキルばかりが注目されがちだが、実は非認知的な性質もまた社会的成功に貢献しており、学力テストの成績にも影響する。

②認知的スキルも社会的・情動的スキルも幼少期に発達し、その発達は家庭環境によって左右される
アメリカでは過去40年間にわたって家庭環境が悪化してきた。恵まれない家庭に生まれる事が、子供達に格差をもたらしている。そこでは生活の質が最も基本的な問題であり、両親が揃っているかや親の収入や学歴といった要素は2次的なものだ。そうした家庭環境は世代を超えて蓄積される。

③幼少期の介入に力を注ぐ公共政策によって、問題を改善する事が可能である
人間のすべては遺伝子で決まるという考え方に反して、恵まれない家庭に生まれた子供に幼い時期から手をかける事によって、はっきりした永続的な効果をもたらす事ができる事が、研究によって証明されている。幼少期の教育に介入する事によって、認知的スキルだけでなく、社会的・情緒的スキルをも向上させる事ができる。

個人の成功を実現する事はもとより、機会均等化を進め、経済を発展させ、より健康な社会を築くためには、社会政策を大きく変化させる必要がある。早い時期の対策と、それによって得られた効果を強化するために設計された成長後の対策とが重要である。

著者 ジェームズ・J・ヘックマン

1944年生まれ。シカゴ大学 経済学部特別教授 1973年よりシカゴ大学にて教鞭を執る。1983年ジョン・ベイツ・クラーク賞受賞。 2000年ノーベル経済学賞受賞。専門は労働経済学。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
パートⅠ 子供たちに公平なチャンスを与える p.9 18分
パートⅡ 各分野の専門家によるコメント p.45 28分
パートⅢ ライフサイクルを支援する p.101 4分

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