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2016/03/17更新

デザインの誤解 いま求められている「定番」をつくる仕組み (祥伝社新書)

144分

2P

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定番の条件

時代に左右されない定番商品を生み出すためには、何が必要か。一般的には、世の中に出てそれをたくさんの人が使ってくれる事で、結果的に定番になったものがほとんどである。よって「定番の条件」というのは、逆算して考えた結果を試す事になる。

定番商品たり得る条件には、基準となる5つの要素がある。この5つが完璧に満たされていればいるほど、定番に近づいていく。但し、この内のいくつかがずば抜けて優れている事によって、定番たり得ている場合もある。

①形状
その「形」に何を求めるかによって、出てくる答えは大きく異なる。

②歴史
「歴史」という条件は「支持率」の高さ、「支持期間」の長さという2つの要素に細分化できる。商品の支持率を上げるためには「信用度」「完成度」「認知度」の3つの条件が必要である。人々の支持をいかに集められるか、その支持を受けている期間をいかに継続できるかを考える事は、定番に近づく大事な要件の1つである。

③素材
④機能
技術革新等でこれらのポイントが特に秀でている場合、それだけで新たな定番の座に就ける可能性がある。

⑤価格
価格は単純に安くて買いやすければいいという事ではない。安すぎる価格はその商品の本当の価値を伝えられず、価格競争で自滅してしまう事になりかねない。

定番の生み出し方

定番を生み出すプロセスは「過去を知り、現在を考え、未来を創る」という事に集約される。定番商品をつくろうとする時には、まずそのジャンルの過去について調べる。

「過去を知る」作業の後は「現在を考える」作業に移る。そのためにはまず、過去を知ってきた過程の中で、変わっているものと変わっていないものの存在に注目する。定番のAという商品が生まれた当時の背景と現在の時代背景は、同じであるか、生活様式は変化しているか、人々の趣味嗜好は変遷していないかという事に注目する。「現在を考える」際には、その前提として必要となる事がある。

①できるだけ多くの媒体から情報を得ること
②「ソーシャルコンセンサス(潜在的共通認識)」を探ること
シズル(思わず手に取りたくなるような「そのものらしさ」を見つけ出す。シズルを見つけ出すには「〜っぽい分類」を考えて、それを念頭に置く。

流行にしない

定番とは言い換えれば「長い流行」である。長い流行に至るものには、次の3つの要素が含まれている。

①イノベーション
これまであったものを組み合わせる。

②ありそうでなかったもの
未来から見て当たり前のものを生み出す。

③許容値が高いこと
時代に合わせるための変化を受け入れても、本質が変わらない強さを持っている。

定番というものを築き上げるのは、これまでにあったものを、いかに真摯に見直すかという作業が大切である。