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2016/10/12更新

ヒトはどこまで進化するのか

180分

2P

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高度な社会行動が作られる要因

真社会性の進んだ社会行動は大きなメリットをもたらすのに、これほど稀で出現も遅い原因は、真社会性が生じる最終段階になる前に起こっているはずの進化上の特別な変化にある。真社会性への前段階は敵から守られた巣を作ることだ。守られた巣を拠点にして餌を探し、巣の中で子供を育てる。親と子が巣にとどまり数世代にわたって子育てをすれば、真社会性のコロニーが生まれる。そうした原始的な群れはすぐに、リスク受容型の食糧調達係とリスク回避型の親及び養育係とに分かれる。

霊長類の中でたった1つの系統だけが、稀にしか発生しない真社会性レベルに到達した原因は何だったのか。約200万年前のアフリカで、原初のアウストラロピテクス属の1つの種がそれまでの菜食から肉食中心の食生活に移行し始めた。動物の肉のように広範囲に拡散している食糧源を手に入れるためには、現在のチンパンジーやボノボのように大人と子供が緩やかに組織された群れで移動するのでは割に合わない。それよりも野営地を拠点にして狩猟隊を送り出し、彼らが仕留めるなどして持ち帰った獲物を皆で分ける方が効率が良かった。

社会心理学では狩猟と野営地の発生を機に心の進化が始まったと推論している。野営地を拠点とする集団では、メンバー同士の競争と協力の双方に適した人間関係に重きが置かれた。重要だったのは、将来のやり取りについて競合するシナリオを考え、頭の中で予行演習する能力が必要とされた点だ。先行人類の社会的知能は進化していった。

高度な社会的知能が進化する要因

どのような要因と環境が組み合わされば、高度な社会的知能の持ち主ほど寿命が長くなり、より繁殖に成功するような進化が起きるのか。1つは血縁選択を想定したもので、個体は傍系親族を優遇し、同じ集団のメンバー間で利他的行動が進化しやすくなるという説。複雑な社会的行動が進化しうるのは、集団内の個体の利他的行動の結果、利他的な個体が次世代に残す遺伝子の数問う点で得るメリットが、利他的行為によって生じる損失を上回る場合で、それにより利他的な遺伝子が集団のメンバー全員に行き渡る。

もう1つの理論は、自然選択は2段階で作用する。同じ集団内のメンバー同士の競争と協力に基づく個体選択、及び他の集団との競争と協力から生じる集団選択だ。集団選択は暴力的紛争を通じて、あるいは新たな資源を発見、獲得する際の集団間の競争によって生じうる。

生物学者の間ではマルチレベルの自然選択説が支持を広げている。血縁選択は極めて稀で特殊な状況でしか作用しないことが、近年、数学的に証明されているからだ。