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老舗の考え方

創業約500年の虎屋17代目と、創業約180年のエルメス前副社長の対談本。
老舗の経営、ものづくり、伝統と革新などをテーマとして、老舗の特徴、大切にしているものは何かを紹介しています。


■家業という特徴
虎屋は、たくさん宣伝をして、たくさんのものを売って、大きくなることだけを目指している企業ではない。脈々と続いてきた伝統を守りながら、新しいことに挑戦している。そういった点も、エルメスに似ている。また、代々継いできた家業という点も共通している。エルメスはエルメス家が代々継いできた会社で、現在6代目になる。虎屋は17代目になるが、家業でも歴史は3倍くらい違う。

ただ家業というのは、続けていくことが前提としてあり、自分の代だけ儲けて幸せになればいい、ということには絶対にならない。先代から引き継いできた財産を活かしながら、その時代その時代に合った事業を行い、次の代に引き継ぐことが、いわば生業になっている。

そういう企業で働いていると、従業員全員が「一家=ファミリー」のメンバーのようになっていく。1つのことを目指して、皆でやっているという感覚がある。企業と従業員の関わりが近く密ということである。

超短要約

■勘で判断することが大事
今現在は価値があると思うものが、一年先には、どれだけ価値があるかわからない。そうなると、変えていけないものは何もない。「ここは変えてはいけない」と思うものでも、日々変わっている気がする。

絶対に「変えてはいけない」のは、「最善を尽くして作ったもので、お客様に喜んでいただく」といった精神的な部分。これは、虎屋の仕事の根底に、どっしりとあること。「変えてはいけない」というより「忘れてはならない」ことである。

また、変える変えないの判断については、熟慮したから正しい結論が出るということではなく、ひらめきで決めることも大事である。「これだ」と瞬間的な判断をして、間違っていないことは、意外と多い。そういう瞬間的なひらめきは、ある程度、根拠となる情報を組み込んでいるので、後から振り返っても正しいことが多い。

著者 齋藤 峰明

1952年生まれ。「エルメス」フランス本社前副社長 高校卒業後渡仏し、パリ第一(ソルボンヌ)大学芸術学部へ。在学中から三越トラベルで働き始め、後に三越のパリ駐在所長に。 40歳でエルメス・インターナショナル(パリの本社)に入社、エルメスジャポン社長に就任。2008年よりフランス本社副社長を務め、2015年に退社。 シーナリーインターナショナルを設立、代表に就任。フランス共和国国家功労勲章シュヴァリエ叙勲

著者 黒川 光博

1943年生まれ。「虎屋」代表取締役社長 虎屋十七代。大学卒業後、富士銀行(現みずほ銀行)勤務を経て1969年、虎屋に入社。1991年より同社代表取締役社長。 全国和菓子協会会長、全日本菓子協会副会長、一般社団法人日本専門店協会会長等を務めた。

この本を推薦しているメディア・人物

週刊ダイヤモンド 2016年 11/12 号 [雑誌] (疲労の正体) 週刊ダイヤモンド 2016年 11/12 号 [雑誌] (疲労の正体)
リブロ営業推進部マネージャー 昼間 匠

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.1 1分
1 虎屋とエルメスの共通点とは p.11 10分
2 「会社」「働く」を突き詰める p.27 30分
3 カフェとミュージアムが教えてくれること p.75 29分
4 東京を離れて、ものづくりを考える p.121 30分
5 長く続いてきた理由、老舗談議 p.169 28分

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