マッキンゼーの経営および世界経済研究部門のベテランメンバーが、現在起きている世界に大きな影響を及ぼすトレンドと、将来の予測について考察している一冊。


■劇的な世界の変化に目を向けよ
世界は今、破壊的な力を持つ4つの根本的なトレンドによりもたらされた、劇的な変化のほぼ中途にある。

①経済の重心の移動
②テクノロジー・インパクト
③地球規模の老化
④「流れ」の高まり

この4つの破壊的な力のどれか1つだけをとっても、グローバル経済がこれまで経験してきた経済的変化、例えば先進国における産業革命のようなものの最大の力と比べたとしても、おそらく比肩しうる規模である。しかし、私たちの大半は、その規模の全体像や2次的、3次的な効果を理解できないでいる。こうした複数のトレンドは、その力と規模を増し、相互作用、同期作用および補完作用により影響を及ぼし合う。こうした力が一体となって、巨大な変化を作り出す。

今やこの4つの力は、事実上どの国の市場、世界経済のどの分野でも、長い間確立されてきたパターンを破壊している。これら破壊的な力に対応するためにも、まずは思い込みをリセットしなければならない。

世界は今、経済の重心の移動、テクノロジー・インパクト、地球規模の老化、「流れ」の高まりという4つのトレンドによって、大きな転換点を迎えている。周りのどこを見ても、4つの力が長期的なトレンドであったものを壊し、分解し、機能不全を引き起こしている。

こうした不連続な事象は、破滅と暗い運命しかもたらさないと考えるかもしれないが、多くの機会を提供してくれる。これら破壊的な力に対応するためにも、まずは自分の思い込みをリセットしなければならない。

著者 リチャード・ドッブス

MGI(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート) メンバー オックスフォード大学在学中にフルブライト奨学生としてスタンフォード大学でも学んだ。マッキンゼー入社後、ハイテクから、石油、銀行、ユーティリティーといった幅広い業界のクライアントへのコンサルティングを行ってきた。

MGI(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート) メンバー 電気およびロボット工学博士号をオックスフォード大学で授与され、またオックスフォードで学ぶ優秀な学生に与えられるローズ奨学金の受領者でもあった。1994年以降、マッキンゼーのシリコンバレー事務所をベースとし、世界中のトップ・ハイテク企業の多くの経営者に助言を与えてきた。

MGI(マッキンゼー・グローバル・インスティテュート) メンバー 1985年以来、中国をベースにコンサルティングを行っており、マッキンゼーの中国プラクティス研究グループの共同創設者の一人である。マッキンゼーの都市発展特別活動グループのリーダーであり、非営利シンクタンク「中国都市部活動グループ」の共同委員長を務めている。