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2017/02/23更新

茶碗と日本人

156分

2P

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茶碗がわかると日本人がわかる

茶碗の歴史を読み解き、桃山時代の茶の湯で珍重された茶器の歴史を語る一冊。茶碗から日本の文化の特徴が見えてきます。


■日本における茶碗の起源
茶碗は、言葉として何よりも茶を飲むための器でなければならない。日本にいつ茶が入ってきたのかについては確証がない。正史の上で初出とされるのは815年、嵯峨天皇が近江の韓崎に行幸された際に大僧正永忠が「手自ら茶を煎じ奉御」したと言う記事である。当時はまだ新都というべき京都周辺には唐風の文化が陸続と入ってきていた。永忠もまた入唐僧である。

平安時代の9世紀初め頃に茶が一部で飲まれていたことは確かだが、これが実際に日本における最初の茶だったかといえば、おそらくそうではない。奈良時代の聖武天皇の頃、728年に「造茶使」、729年に「行茶事」と茶のつく文字が出ている。永忠が嵯峨天皇に茶を献じたのよりほぼ100年前、奈良時代の早い段階で日本でも茶の存在を知られ、一部では飲まれていた事になる。

茶碗は茶とセットをなして輸入されたはずで、「茶碗=磁器」という図式で日本人にインプリントされたと考えられる。日本の8〜9世紀の遺跡からは青磁や白磁の碗が出土している。奈良時代から平安時代の初めにかけて、聖武天皇や嵯峨天皇の周囲で飲まれた茶が中国製の青磁や白磁の茶碗に入れられた可能性は高い。

超短要約

日本の茶の湯文化は、唐の影響下に誕生し、唐物とともに形成されていった。しかし、15世紀後半から16世紀に至って、唐物第一こそ茶の美意識だった文化に、1つの転機が訪れ、侘茶の世界において高麗(朝鮮)物が高く評価されるようになった。その評価は現在まで続いている。しかし、和物茶碗の本格的な生産が始まると、量的には国産品が圧倒的な存在となる。

著者 吉良 文男

1941年生まれ。東洋陶磁史研究家 元茶道資料館特別研究員 現在は愛知県立芸術大学非常勤講師。近年は朝鮮半島の陶磁史をおもなテーマとし、古窯場を訪ね歩いている。

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帯
元総理大臣 細川 護煕

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.2 3分
序 章 はてなの茶碗 p.14 2分
第一章 茶碗とはなんだろう? p.17 12分
第二章 外国人がみた茶道具の奇妙な世界 p.37 8分
第三章 利休と織部 p.51 13分
第四章 桃山時代の先端的な茶風 p.73 17分
第五章 侘茶の茶碗が意味するもの p.103 29分
第六章 観者の表現主義 p.153 15分
第七章 人間的な、あまりに人間的な器 p.179 9分
終 章 日本における外来文化のモデルと茶 p.194 7分
あとがき p.206 2分

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