今読むべき優良ビジネス書が
すぐ見つかり、読んだ本を
しっかり自分の知識にするサイト

本を検索する

カテゴリーから探す

人気のタグ

お知らせ


Android無料アプリ配信中
2017/12/05更新

「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか (集英社新書)

  • 丹 道夫
  • 発刊:2017年11月
  • 総ページ数:224P

141分

4P

  • 古典的
  • トレンドの
  • 売れ筋の
  • すぐ使える
  • 学術系
  • 感動する
  • ひらめきを助ける
  • 事例が豊富な
アマゾン詳細ページへ

マニュアルは本質ではない

富士そばにも接客マニュアルも、ほぼない。せいぜい、入社時に接客の基本を説いたDVDを見せるぐらいである。接客業で大事なのはマニュアルに忠実に動けているかどうかではない。できる限り心を込めて、自然に対応しているかどうかである。理想は、お客様のためになることを考えて、自然と身体が動き、言葉を発しているような状態である。その動機が自分の欲のためでも一向に構わない。人間は自分の欲に従って動いている時が最も自発的になり、良いサービスを提供できる。

メニューの開発も現場に任せる

富士そばの定番メニューといえば、かけそば、もりそば、ざるそば、天ぷらそば。これらがすべてのお店で提供している基本メニューである。それ以外のメニュー構成は、係長と店長で決めていて、店舗ごとに違う。最近評判になったのが、「まるごとトマトそば」である。そばの上にトマトがまるごと1個置いてあり、相当インパクトがある。インターネットで話題になったため、考案した店長には広報賞が与えられた。フライドポテトをのせた「ポテそば」、たこ焼きをのせた「揚げたこ焼きそば」も開発したことがある。これが結構売れてしまった。やってみないと案外わからないものである。

このメニューを考えているのは現場で働いている従業員である。社内でアイデアを募ってはどんどん採用する。日頃お客様に接していて、その需要を目の前で感じているのは現場の従業員たち。そこで発想が生まれてくる。

従業員が提案してきたメニューは、基本的には全部店頭に出す。従業員が熱意を込めて提案したメニューを簡単に足蹴にしてしまったら、そのうち誰もアイデアを出さなくなってしまうし、従業員が自由に意見を言えなくなる。何よりも気をつけているのは、従業員のやる気を殺ぐような言葉を決して発しないこと。まずは「君に任せた。やってみなさい!」と前向きにリードするべきである。

絶対に利を独り占めしないこと

アルバイトにも働いた年数に応じて、ボーナス、そして退職金を出している。アルバイトも、会社を構成する立派な一員。正社員だけでは会社は回せない。正社員でないとしても、彼ら彼女らも大変な思いをしながら働き、暮らしているのだから、払うものはちゃんと払って報いなければならない。正社員とアルバイトの間に金銭の面であまりにも極端な差があると「同じ仕事をしているのに」とアルバイトがひねくれてしまう。

もし経営者が事業で儲けた利益を独占して、従業員の給料を不当に減らしたりすると、現場の士気は下がる。サービスの質が低下する。お客様の足が遠のく。業績が悪くなる。すべてが悪い方向へ向かっていく。