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2018/02/15更新

ぼくらの未来をつくる仕事

154分

7P

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  • すぐ使える
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  • ひらめきを助ける
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日本の医療問題

日々の業務で感じていた違和感や日本の医療に関して抱いていた疑問をことあるごとに上司の先生にぶつけていた。医者をやめてもっと外の広い世界から医療を変えるような道があるのではないか。そして「医療を救う医者になりなさい」と2人の先生に背中を押してもらい、マッキンゼーに興味を持った。

マッキンゼーでは、医療現場を外の立場から見たり、医療以外の業界のプロジェクトを経験することで、医師時代に持った違和感よりも、さらに大きな日本の医療の特殊さや課題を感じるようになった。

・医療財政は限界にきている
42兆円の医療費の4割が税金によって賄われており、少子高齢化が進むに連れて、医療財政は限界を迎える。

・病院の数が多すぎて非効率に
医師が不足していると言われるが、病院の数は約9000施設あり、世界ダントツ1位。小さな病院が多く散財し合理的な運営がされていない。

・CT、MRI、入院期間が世界一
日本は人口当たりのCTとMRIの保有台数が最も多い。そして、患者の入院期間が最も長く、1人当たりの受診回数も多い。医療行為が出来高払いであることが関係していると言われる。

・医師の人数や診療科をエリアに応じて配分する概念がない
日本の医師は、自分の働きたい場所や診療科が自由に選べるが、先進国でここまで自由が認められているのは日本ぐらいで世界的には珍しい。

誰が医療を変えるのか

医療費の高騰や医療現場の非効率なシステムなど、元々感じていた医療の課題と、マッキンゼーのプロジェクトの間にはつながりがない。むしろ、逆行していることもあると気づいた。

マッキンゼーはコンサルティングフィーをクライアントから得ることで収益を上げている。つまり、お金を出す企業がいて初めてプロジェクトが成立する。では、医療を変えるプロジェクトには一体誰がお金を出すのか。製薬会社や調剤薬局は医療費削減には基本的に反対である。医療費の高騰で懐を痛めているのは保険者と政府である。しかし、保険者や政府はマッキンゼーにお金を払いプロジェクトを行わない。マッキンゼーに入って痛感したことが、医療費を本気で下げようとする民間の力が日本には存在しないということだった。

医療の未来をつくる

マッキンゼーで働き続けたとしても、日本の医療の未来を変えるようなプロジェクトに出会うことはない。そこで、医療ヘルスケア分野の課題を解決することをミッションとするメドレーの創業者に出会い、メドレーに賭けることになった。

医療リテラシーが上がらなければ、医療の課題は解決しない。もっと多くの人が医療に対して知識を持ち、「自分ごと」として意識をすることで、議論が生まれ変わることがたくさんあるはずである。こうした想いから、オンライン医療事典「MEDLEY」が生まれた。