グリットが成功を決定づける大事な強みであることは、疑いようのない事実だ。但し、レジリエンスが高く、忍耐強く、そして情熱的であるというだけでは、必ずしも本物のグリットとは言い切れない。

グリットの高い振る舞いがプラスの力となるのは、周囲の人に畏敬の念を抱かせ、もっと成長したいという気持ちを起こさせ、そして自分の中に大きな可能性が眠っていることに気づかせることができた時に限られる。そういう影響を受けた人には、「〜したらどうなるのだろう？」という期待感が生まれる。

本物のグリットとは「高い目標に対する情熱的な追求であり、周囲の人の畏敬の念を引き起こし、より良い人間へと成長し、精神的な持続的幸福を獲得し、ポジティブなリスクを冒し、最高の人生を送りたいというモチベーションを引き出すもの」を指す。

①ポジティブな人間関係
チームワークと友情を育む。本物のグリットには周囲を惹き寄せる力がある。

②大きな希望
希望に溢れ、楽観的だ。ポジティブな展望を持っている人は、そうでない人と比べてより長く、より懸命に努力することができ、困難にぶつかっても諦めずに続けられる可能性が高い。

③謙虚さ
決して周りにアピールする訳ではないが、それでも周囲の人間は魅了される。本物のグリットからは、自己陶酔的な要素や、自分がしていることを誰かに認めてもらいたいという欲求が、驚くほどきれいに排除されている。

④本物の自信
もしも目標に自分の持ち得るすべてを注がなかったら、後々ひどい後悔に苦しむだろうと考え、自分自身に賭ける。

⑤与える人
「他者が大切だ」ということを心得ているため、必要な時に自分の時間やエネルギーに対して利己的にもなるが、それが彼らのすべてということには決してならない。

⑥適切なフォーカス
一点に集中する。従って、人生のすべてについて執拗にやり遂げようとする訳ではない。

⑦適切な頑固さ
あくまで「反抗の代わり」というもので、無秩序な反抗によってトラブルメーカーになるようなものとは違い、効果的である。

⑧失敗から学ぶ姿勢
目標を追求する過程で挫折を経験している。彼らは、そこから敗北への対処の仕方を学び、様々な教訓を統合して再び目標に向かって歩みを始める方法を習得する。

⑨100%本物である
ありのままの自分でいることに抵抗がない。彼らは1人でいる時と同じくらい、他人といる時にもリラックスしている。

⑩しなやかなマインドセット
ハードワークが成功の鍵だと信じている。そして、あえてリスクを冒そうとする好奇心や意欲は、目標追求において様々なアプローチの仕方を探り、柔軟性を保つのに役立つものだと考えている。