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2019/05/30更新

成功する日本企業には「共通の本質」がある 「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学

201分

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組織が不条理な判断を回避するための方法論

環境の変化に対応し、自己変革する組織の能力「ダイナミック・ケイパビリティ」の経営学を解説しながら、日本企業の進むべき道を説く一冊。
「両利きの経営」とダイナミック・ケイパビリティの関係性なども解説しながら、経営学の中心テーマを紹介しています。


■2つの能力
企業のケイパビリティ(能力)には次の2つの種類がある。

①オーディナリー・ケイパビリティ(通常能力)
②ダイナミック・ケイパビリティ(変化対応的な自己変革能力)

ビジネス環境が安定している時、企業は利益最大化を目指してより効率的に活動しようとする。この時、企業内の資産や資源をより効率的に扱う企業の通常能力が「オーディナリー・ケイパビリティ」と呼ばれる。

長期的には、企業をめぐるビジネス環境は大きく変化する。変化の激しい状況で求められる能力が「ダイナミック・ケイパビリティ」である。その能力は「企業が環境の変化を感知し、そこに新ビジネスの機会を見出し、そして既存の知識、人財、資産およびオーディナリー・ケイパビリティを再構成・再配置・再編成する能力」のことである。

超短要約

ダイナミック・ケイパビリティとは、企業内外の様々な固有の資源を調整し結合させている既存のオーディナリー・ケイパビリティ(通常能力)を、環境の変化に対応させて再構成するより高次の能力(メタ・ケイパビリティ)のことである。

このようなより高次の能力であるダイナミック・ケイパビリティを成功的に利用するためには、企業は再構成・再配置されるべき多様な資産や資源およびオーディナリー・ケイパビリティを事前に保有する必要がある。

ダイナミック・ケイパビリティは、経営陣が保有すべき3つの能力カテゴリーに区別される。

①感知(センシング)
企業の経営陣が競争的状況を把握し、事業が直面する変化、機会や脅威を感知する能力

②捕捉(シージング)
企業の経営陣が、機会を捕捉し、脅威をかわすように、必要に応じて既存の事業や資源や知識を大胆に再構成し、再配置し、再利用する能力。

③変容(トランスフォーミング)
持続的な競争優位を維持するために、企業の経営陣がオーケストラの指揮者のように企業内外の資源や知識をオーケストレーションし、ビジネス・エコシステムを形成する能力。

このようなプロセスを「オーケストレーション」と呼び、これが円滑に回るように采配を振ることが経営者の役割であり、何よりも重要なのは経営者の意思決定である。そして、企業は、これら3つの能力を発揮することによって、既存の知識、技術、資産とオーディナリー・ケイパビリティを絶えず再結合、再構成、再配置し、変容して持続的競争優位を維持する必要がある。

著者 菊澤 研宗

1957年生まれ。慶應義塾大学商学部・商学研究科教授 防衛大学校教授・中央大学教授などを経て、2006年慶應義塾大学教授。 この間、ニューヨーク大学スターン経営大学院、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員。 元経営哲学学会会長、現在、日本経営学会理事、経営行動研究学会理事、経営哲学学会理事。

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作家 佐藤 優

章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに──日本企業にとっての成功の本質 p.1 4分
序 章 日本企業が進むべき未来 p.12 15分
第1章 既存技術の転用を可能にする──富士フイルムのダイナミック・ケイパビリティ p.42 10分
第2章 独自のビジネス・エコシステムを形成できる──ソニーのダイナミック・ケイパビリティ p.58 12分
第3章 イノベーションのジレンマを回避できる──YKKのダイナミック・ケイパビリティ p.77 8分
第4章 日本的経営は絶滅も滅亡もしていない p.93 8分
第5章 日本企業の組織を特徴づける強いダイナミック・ケイパビリティ p.106 14分
第6章 株主主権論にもとづく米国流経営パラダイムを放棄せよ p.129 13分
第7章 ダイナミック・ケイパビリティによる企業の戦略経営化 p.154 15分
第8章 ダイナミック・ケイパビリティによる企業の巨大化 p.178 12分
第9章 ダイナミック・ケイパビリティによる企業の国際化 p.198 10分
第10章 新古典派経済学的な米国流経営パラダイムを超えて p.217 7分
第11章 新たな経営パラダイムを生む「進化論的ダイナミック・ケイパビリティ論」 p.229 6分
第12章 進化論的ダイナミック・ケイパビリティ論による不条理回避 p.239 12分
おわりに──日本企業のためのダイナミック・ケイパビリティ論 p.258 2分

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