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2019/10/17更新

いまこそ知りたいシェアリングエコノミー

160分

4P

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従来型のシェア

シェアは、昔から私たちの暮らしに様々な形で存在してきた。特に、衣食住にかかわる資源やインフラといった、生きていくために必要不可欠なものには、シェアが有効に活用されてきた。

①扶け合いとしてのシェア
お互いがお互いのことをよく知っている地理的、あるいは血縁的に繋がったグループが1つのコミュニティ(共同体)を構成し、そのコミュニティ内で相互シェアが行われる。地縁、血縁をベースとしたコミュニティは、当時生きていく上で必須の仕組みであり、その秩序が守られることは日々の暮らしを維持していくためにとても重要だった。

②公共によるシェア
コミュニティによる「扶け合いとしてのシェア」を通じて提供されたインフラなどは、時代の流れに乗って政府・自治体が提供するサービスへと代替されていった。

③営利としてのシェア
企業が提供するシェアサービスの対象は、車や音楽、動画など、生きていくために必要不可欠ではないけれど、それがあると生活が充実するといった、贅沢品がサービスの対象である。

新しい時代のシェア

これからのシェアは、「共有=共に所有する」ではなく「共用=共に利用する」というところに本質がある。共用の仕組みは、近年のデジタルトランスフォーメーションにより大きな進化を遂げた。つまり、グローバル規模のネットワークで共用が行われることで、新しいコミュニティや価値観に基づく新しい社会観や経済システムが生まれようとしている。

新しいシェアは、オンライン上のプラットフォームでサービスを提供している。オンライン上のプラットフォームは、様々なモノや価値を、多様な主体間で、シェアすることを可能にした。その結果、新しいシェアサービスのほとんどが、ここ10年で急成長し、世界中で利用されるサービスとして大きな広がりを見せている。

新しいシェアの特徴は、「あるコミュニティ・ネットワークに属する見知らぬ個人間の双方向の取引」を可能にした点である。見知らぬ企業、個人間の双方向のやり取りを「低コスト・低リスク」で実現しているところに、大きなイノベーションがある。

新しいシェアでは、シェアするためにあらかじめ用意されたモノだけがサービスの対象になるわけではない。誰かが所有し、普段利用しているモノが、利用されず「余剰」状態にある時に他の誰かがアクセスし、利用できる点が新しいシェアの特徴である。所有権は常に提供者にあるが、所有権を超えて利用されることでリソースの最適化を図ることが新しいシェアの狙いである。従って新しいシェアは、新たな投資を行わなくても、既存のインフラやリソースの余剰で市場が成立し得るサービスであると言える。