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ラーメン業界の特徴

日本の産業の多くは成熟化しているため、既に製品は機能進化している。だから、どこの企業のモノやサービスを購入しても大差がない。そのため、企業はプロモーションや価格、チャネルで差をつけようとし、結果、大資本が優位となり寡占化する。

例えば、牛丼やハンバーガーは、製品で差別化が難しいため、大手企業が市場の大部分を占めている。

一方でラーメン業界は、顧客の好みが多種多様なために圧倒的な優位性が構築しにくい。つまり、一番おいしいラーメンは、人によって異なるため、画一的なラーメンが圧倒的なシェアを握ることがない。だから、小資本のラーメン店でも勝負ができる。


ラーメン二郎の差別化

ラーメン業界は、顧客の好みが多種多様であるため、差別化によって、人気を高められる。差別化のポイントは①どのような顧客に、②どういうエッジ(特徴)を効かせるべきか、である。

①どのような顧客に
二郎が最も大切にしている顧客は大学生。店舗の半数近くが大学に近い。二郎のボリューム、濃厚さ、コストパフォーマンスは、大学生に高い支持を得ている。大学生にとって、第二の母の味となることで、社会人になってからも長く通ってもらえる仕組みになっている。

②どういうエッジを効かせるか
二郎のラーメンは、小でも300gの極太麺。拳骨を炊き出し、大量の野菜、背脂を使用し、脂ギトギトのスープである。チャーシューは立方体、野菜を増せば、円錐形のタワーがそびえ立つ。

ここに「達成感」と「店主との一体感」という他のラーメン店にない価値を創造している。二郎のラーメンを食べるのは格闘である。顧客はボリューム満点のラーメンを食べきった時に達成感を覚え、店主は力を出し切った顧客に優しい。

大抵のラーメン屋は、ラーメンの構成要素である麺、スープ、具の範疇で勝負をしている。しかし、これでは非常に厳しい勝負の中で戦うしかなくなってしまう。二郎はラーメンの構成要素の枠を超えた価値を築いているからこそ強いのである。


ラーメン二郎のプロモーション

二郎は宣伝をしない。顧客から認知されるのは、店の行列、雑誌の紹介、インターネットである。インターネットで二郎の情報に触れる機会は多い。それは、二郎が「口コミ」によるマーケティングに成功しているからである。

「口コミ」によるコミュニティが賑わうには、「突っ込みどころ」が必要である。そして、二郎は「突っ込みどころ」が満載である。脂ギトギト、タワー状の野菜、 極太麺、ボリューム。それは強烈は驚きを与え、思わず誰かに伝えたくなる。

二郎は2001年から急拡大した。その要因はインターネットによる口コミが大きい。他にはない際立った価値を提供できているからこそ、二郎には行列ができるのである。