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超人気パティシエの仕事術

交通の便が良いとは言えない郊外でも人気を博し、ロールケーキのブームを生んだケーキ屋『エスコヤマ』。そのパティシエ小山氏が、ものづくりの哲学、人を育てるために大切なことを紹介している。

看板商品の小山ロールがなぜヒットしたのか?
何でもモノが「足りている時代」において、求められるのは「心の利便性」だと説き、いかに自分の想いをものづくりに込め、そのストーリーを伝えるかが大切だとする。

マーケティング、ものづくり、働き方、教育と、超人気パティシエの仕事術から多くを学べる1冊。

超短要約

■テクニックより、大切なのは「伝える力」
2011年、エスコヤマは世界最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」に出展し、外国人部門で最優秀ショコラティエ賞に選ばれた。それは、「伝えたい想い」が誰よりも強かったからではないか。

「どうしたら、自分のお店を持てるようになれますか」という質問をよく受ける。そういう時は「自分の中の表現したい想いが溢れるほどになった時に、プロとして独立できるんやないかな」と答えている。

パティシエは職人なので、もちろんケーキを作る技術は必要である。しかし、素晴らしい技術を持ったパティシエでも、思い通り活躍できる訳ではない。さらに「おいしいものを作っていれば、認めてもらえる」と思っていても、それは単なる自己満足である。

自分がケーキを通して何を伝えたいのか、どのようにその想いを伝えればいいのか。時にはケーキで伝えたいことを、自らの言葉で熱く語らなくてはならない時もあるだろう。それを高度な技術力をもって具現化できた時に、初めて多くの人に受け入れてもらえるのだ。

サロン・デュ・ショコラに出展すると決めた時、「フランス人って、どんな味が好みなんやろ?」とリサーチするような事は一切しなかった。今さらフランス人の味覚を研究しても、小手先の方法で通用する訳がない。今回、伝えたいのは自分の技術だけでなく、フランス人に本当はまだ知られていない日本の食材の魅力や文化であり、日本の丁寧なものづくりのDNAだと思った。

ショコラの食材には、味噌や京番茶、抹茶、大徳寺納豆などを選んだ。さらにブースの内装デザインや商品パッケージ、パンフレットなども「日本人が創ったショコラ」という世界観を表現した。今の時代、お菓子はおいしくて当たり前である。大事なのは、お菓子のまわりにあることまでも深く掘り下げてやり抜くという事なのだ。

サロン・デュ・ショコラで評価されたのは、日本の職人の美意識や丁寧さに気づき、それを自分というフィルターを通して伝えられたからだと思っている。いつもケーキを作る時に「どんなものを作りたいか」を考えるより、「どんな想いを伝えたいのか」を考える。つまりストーリーを商品に入れ込む。コンセプトが固まり、頭の中で食べた時の味や食感をイメージしてから、作り始める。

素材選びも同じで、「◯◯産の卵がいい」というアピールポイントだけで売れる時代は終わったと思う。その卵を使っていればおいしくなるのではなく、自分の伝えたいストーリーや歴史に合った、本当においしい卵を使わないとフィットしないのだ。ポーズで使っているだけでは、食べる人には想いは伝わらない。

著者 小山進

1964年生まれ。パティシエ、ショコラティエ パティシエエスコヤマ代表取締役 大阪あべの辻調理師専門学校卒業後、神戸の「スイス菓子ハイジ」に入社。数々の菓子コンクールで優勝。2000年独立。 パティシエエスコヤマを設立し、全国十数社の商品開発および技術指導を行なう。 2003年より現在の兵庫県三田市に「パティシエエスコヤマ」を開店。その後、敷地内に菓子教室、チョコレートショップ、パン店などを次々出店。2011年、パリのサロン・デュ・ショコラ初出店、外国人最優秀ショコラティエ賞を受賞。 2017年、インターナショナル・チョコレート・アワーズ2017世界大会で、世界最多となる4作品が1位(金賞)、CCC(Club des Croqueurs de Chocolat)のコンクールで8年連続となる最高位の「ゴールドタブレット」を獲得。「三田市技能金蘭賞」を受賞。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
はじめに p.6 2分
1章 「伝えたい」想いはあるか?――「伝える力」で獲得した世界のショコラ p.17 25分
2章 丁寧という力を武器にしよう――1本の小山ロールから学べること p.63 24分
3章 リサーチやマーケティングより大切なこと――「足りている時代」に生き残るには p.107 21分
4章 人が集まる人になる――自分発信、自分ブランドはこうして作る p.145 19分
5章 人を育てる――失敗を恐れない、隠さない心が、大きな器を作る p.181 16分
6章 洗い物も世界一と思って洗う――それは誰かの役に立っているか? p.211 17分
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